長野県南佐久郡佐久穂町にあるJR小海線の駅が、海瀬駅。高原列車で有名な小海線は、JRではもっとも標高の高い高原地帯を走る路線ですが、海瀬駅は駅名に海が付くものの、日本一海から遠い駅。駅は、山中にある「日本で海から一番遠い地点」から6kmの場所にあります。
「日本一海から遠い駅」、「112.772km」の看板も設置
JR東日本長野支社小海線営業所が「沿線に名所を誕生させたい」、「海からいちばん遠い駅を知りたい」という願いから(小海駅〜小淵沢駅間は長野県下で最大の赤字路線)、令和3年に長野県公共嘱託登記土地家屋調査士協会に調査を依頼。
国土地理院の地図で調べた結果、海瀬駅は新潟県糸魚川市の海岸線から112.77km離れており、2番目の群馬県の上信電鉄上信線南蛇井駅(なんじゃいえき=神奈川県小田原市の海岸から112.05km)とわずか700m差ながら日本一海岸から離れていることが判明したのです(3位は小海線の羽黒下駅で、111.8km、4位は上信電鉄上信線千平駅111.7km)。
小海線には、佐久海ノ口駅、海尻駅と、海が付く駅名(地名)が多いのですが、平安時代の仁和3年(887年)に起きた八ヶ岳(天狗岳)の大月川岩屑流(土石なだれ/原因は東海大地震説、信濃北部地震説、八ヶ岳の水蒸気爆発説などがあります)で千曲川が堰き止められ、現在の小海線に沿って海ノ口から海尻にかけて巨大な湖が誕生し、相木川もせき止められ相木湖が生まれたことに由来するのです。
中世の入植者、あるいは居住者たちが名付けた地名が、小海であり、海ノ口、海尻、海瀬というわけなのです。
千曲川の巨大湖は寛弘8年(1011年)に決壊しましたが、相木湖は鎌倉時代の中頃まで残存し、海瀬はまさに湖の瀬だった場所というわけなのです。
海瀬駅(日本一海から遠い駅) | |
名称 | 海瀬駅(日本一海から遠い駅)/かいぜえき(にほんいちうみからとおいえき) |
所在地 | 長野県南佐久郡佐久穂町大 |
関連HP | JR東日本公式ホームページ |
ドライブで | 中部横断自動車道八千穂高原ICから約4km |
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