2024年8月22日(木)~8月25日(日)、青森県野辺地町で『のへじ祇園まつり』が開催。南部藩領随一の湊だった野辺地。南部藩でも有数の廻船問屋たちに支えられ、北前船で伝わった文化が根付いていますが、『のへじ祇園まつり』もそのひとつ。むつ市の『田名部まつり』とともに本州最北の祇園祭です。
北前船で京から伝わった「本州最北の祇園祭」
4日間にわたって行なわれる『のへじ祇園まつり』。
初日の大注連縄(おおしめなわ)を八幡宮に奉納する「しめあげ」で幕を開け、2日目と4日目には、山車の合同運行が行なわれます。
2階層造りの山車の1階部分には三味線の伴奏で太鼓を叩く稚児が乗り、その上の2階部分に人形で作った舞台がのりますが、稚児達が合奏する格調高い祇園囃子が情緒を誘ういます。
3日目は、海で栄えた野辺地を象徴する船の大パレード「海上渡御」で、夜には、町商工会青年部による花火大会が開催、祭りのフィナーレとなります。
御神輿を先頭に、約150隻の海上渡御は実に壮観。
青森県の夏祭りは、一般的に、津軽地方はねぶた・ねぷた、南部地方は山車(だし)、そして下北地方は祗園。
野辺地は南部と下北の中間であるため、祇園に山車(だし)が加わったものと推測できます。
『のへじ祇園まつり』 おもな行事日程
8月22日(木)=しめあげ、宵宮祭(野辺地八幡宮・神明宮)
8月23日(金)=初日山車合同運行
8月24日(土)=海上渡御、町内自主運行
8月25日(日)=最終日山車合同運行
日本遺産「荒波を越えた男たちの夢が紡いだ異空間~北前船寄港地・船主集落~」
野辺地は、南部藩随一の湊町。
藩内で産する大豆、尾去沢の銅、イワシの〆粕などを北前船(西廻り航路)で日本海を経て、北陸、蝦夷地、そして大坂(現・大阪)などへと運ばれました。
江戸時代〜明治時代には廻船問屋が軒を並べていたのです。
日本遺産「荒波を越えた男たちの夢が紡いだ異空間~北前船寄港地・船主集落~」(野辺地町を含む45市町で構成)に『のへじ祇園まつり』(北前船によって京都からもたらされた祭り)、野辺地八幡宮末社金刀比羅宮本殿(北前船の海上安全を祈願するために町内の廻船問屋たちが勧請寄進)、浜町の常夜燈(北前船で財を成した豪商野村家によって建立された燈籠)などが構成資産として登録されています。
野辺地には、「河原決明(かわらけつめい)の茶がゆ」(マメ科の一年草・河原決明を焙じて作ったお茶で炊いた茶がゆ/河原決明は、藩政時代の頃、上方より北前船によって野辺地に運ばれ根付いたとされています)も残され貴重な構成資産になっています。
朝まで飲み明かした廻船問屋の旦那衆が、二日酔いにも効果的と好んで食したため、「野辺地を歩くと、隣町まで、かゆのすする音が聞こえる」といわれるほどだったのです。
のへじ祇園まつり|野辺地町|2024 | |
開催日時 | 2024年8月22日(木)~8月25日(日) |
所在地 | 青森県上北郡野辺地町 |
場所 | 野辺地八幡宮・神明宮 |
関連HP | 野辺地町観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | JR・青い森鉄道野辺地駅から徒歩25分 |
ドライブで | 下北半島縦貫道路野辺地ICから約3km |
問い合わせ | 野辺地町観光協会 TEL:0175-64-9555 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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