日本で唯一電車の走っていない県とは!? その理由は、少し意外

全国で唯一電車が走っていない県を、言い当てられる人は、かなりの鉄道ツウか、その県民。新幹線の走っていない県を除外するだけで、関東以北は除外できてしまいます。答えは、四国の徳島県。同じ四国でも愛媛県、高知県、香川県には電車が走っていますが、実は徳島県だけ「ない」ものが!

徳島県にも明治末に阿波電気軌道が誕生していた!

徳島県はまさに「気動車王国」(牟岐線日和佐駅)

JR四国管内の電化区間は、本四備讃線の児島駅~宇多津駅(香川県)、予讃線の高松駅(香川県)~伊予市駅(愛媛県)、土讃線の多度津駅~琴平駅(ともに香川県)間で、これで香川県、愛媛県はクリアとなります。

JR四国で非電化なのは、徳島県と高知県ですが、高知県はとさでん交通があり、明治37年5月2日に本町線、潮江線を開業しています。
開業時は路面電車ながら土佐電気鉄道という社名で、高知県では明治37年から電車が走っていました。

実は愛媛県も伊予鉄道が明治44年8月8日に道後線を電化、明治44年9月1日に道後温泉に松山電気軌道が開通しているので、明治時代から電車が走っていたことに。
さらに香川県は、明治44年11月18日、東讃電気軌道(現・高松琴平電気鉄道)の今橋駅〜志度駅(現・琴電志度駅)が開業しているので、やはり明治時代に電車が走っています。

つまり、徳島県に電車が走っていない最大の理由は、路面電車を含めて私鉄がないから。
実は徳島県にもかつて「電車が走らせようとした時代」がありました。
明治44年6月に免許が申請された阿波電気軌道で、徳島と撫養を結んで「徳島に電車を走らせよう」という計画でしたが、電化は実現せず、蒸気機関車による運行だったので、後に阿波鉄道に改称されています。
すでに高知県では電車が走っていたことも刺激となったのだと推測できますが、徳島でも電気需要が急拡大し、電力会社から十分な電力の供給が見込めないこともあって、電化を断念したのです。

吉野川に橋を架ける財力がなかったため、吉野川は渡し船で連絡していましたが、昭和8年に国有化され、吉野川鉄橋が架橋されています。。
こうして徳島県では、阿波電気軌道の当初の狙いも「幻の電車」となり、100年以上たった現在でも電車が走っていないことに。

JR四国は電化計画はないとしているので、徳島県は「全国唯一電車の走らない県」であり続けることに。
JR四国では2025年末頃から「ハイブリッド式ローカル車両」を投入しますが(本格的な導入は2027年度)、ディーゼル燃料で発電した電力と蓄電池からの電力により、モーターを駆動して走行する車両。
モーターを駆動して車輪を回すので「電車」に近い存在といえるかもしれません。

ちなみに、NHKでは徳島局に赴任したアナウンサーは、「電車」といわないように指導されるそう。
他県から転勤当初のアナウンサーは、思わず「電車」と言ってしまうようで、電車のない徳島県にはそんな「徳島あるある」が数多く隠されているようです。
そんなことが「あるでないで」(徳島の方言で「あるじゃないか」「あるんじゃないの?」の意)。

ハイブリッド式ローカル車両
JR四国が新たに導入する電気で車輪を駆動させる「ハイブリッド式ローカル車両」
日本で唯一電車の走っていない県とは!? その理由は、少し意外
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