オランダ坂

オランダ坂

その昔、長崎(現・長崎県長崎市)の人々は、東洋人以外の外国人をオランダさん(和蘭さん)と呼びました。長崎市の東山手一帯は幕末の開国に伴い、外国人居留地となった場所で、外国人の往来が多かった坂道をオランダ坂と通称。東山手の活水学院下の坂、活水坂、誠孝院(じょうこういん)前の3ヶ所の坂がオランダ坂と呼ばれています。

東山手の3ヶ所の坂道がオランダ坂

もっともよく知られているのは、活水女子大学東山手キャンパスへと続くオランダ坂で、石畳の坂道に東山手甲十三番館が建ち、「日本の道100選」にも選ばれています。
明治時代初め、スウェーデン人で高島炭鉱坑内坑夫長のチャーリー・ブラウン(本名:ニールズ・ルンドバーグ/Nields Lundberg)が火薬を用いて開削した坂道です。
活水学院は、一帯がまだ外国人居留地だった明治12年、オランダ坂の上、東山手の丘に創始されています(創立者はアメリカから派遣された女性宣教師エリザベス・ラッセル)。

海星高校(明治25年、フランス人・マリア会員ジャック・バルツが創立、明治28年に現在地に移転)の体育館登り口には英国聖公会会堂跡の碑も立っていますが、この地に文久2年(1862年)、日本初のプロテスタントの会堂・英国聖公会会堂が建設されています。
つまりは教会へ通った道が今のオランダ坂というわけなのです。

実は、居留地に住む外国人たちは、教会へ通う坂道など山手地区の坂道には石畳とすることを要求したのです。
オランダ坂の石畳舗装工事には、天草の下浦石工が動員され、下浦産(現・天草市下浦町)の下浦石(砂岩)が使われています(大浦天主堂、軍艦島の護岸、三角西港護岸などにもその技術と石が使われています)。

平成16年公開の映画『解夏』(げげ/原作:さだまさし、主演:大沢たかお)のロケ地にもなっています。

オランダ坂
名称 オランダ坂/おらんだざか
所在地 長崎県長崎市東山手町
関連HP 長崎市公式観光サイト
電車・バスで 路面電車(長崎電気軌道)メディカルセンター電停から徒歩4分。大浦海岸通り電停から徒歩7分。
ドライブで 長崎自動車道長崎ICから約4km
駐車場 市営松が枝町第2駐車場(94台/有料)など周辺の有料駐車場を利用
問い合わせ 長崎市あじさいコール TEL:095-822-8888
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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