長崎県南島原市の口之津港近くにある標高180mのピークが富士山。国土地理院の地形図にも富士山と記載され、「日本一低い富士山」ともいわれています。富士山は、150万年前、噴出した玄武岩のマグマ活動によって形成された山で、島原半島世界ジオパークのジオサイトにもなっています。
平安時代に富士山神社を創建!?
この富士山頂には富士山神社が祀られていますが、伝承では、平安時代初期の天長3年(826年)、富士山頂に鎮座する富士山本宮浅間大社の奥宮から分霊を勧請して創建したのが始まりとか。
島原・天草一揆(島原の乱)の際に焼き払われて荒廃しますが、その後、島原藩主・高力忠房によって再建されています。
また、こんな伝承も。
延宝年間(1673年〜1681年)の初め、島原藩主・松平忠房(まつだいらただふさ=島原藩の藩政改革、農民経営の安定化に尽力)は、参勤交代途中の駿河(現・静岡県)の宿で病に倒れましたが、富士山浅間神社に病気平癒祈願のため家臣を代参させたところ、病が治癒しました。
お礼参りをするには遠すぎるということから、地元に浅間神社を勧請しようと富士山に似た山を探し、貞享4年(1687年)、山頂に富士山神社を創建と伝えられています。
島原藩4代藩主となる松平忠刻(まつだいらただとき)は、寛延2年(1749年)5月10日、参勤交代途中の周防国下松藩内(山口県下松市周辺)で発病し、そのまま死去しているので、島原からの参勤交代がいかに大変だったかがよくわかります。
576段の階段を登り、山頂に到達することができますが、登拝にあたっては道の状況を確認するのが賢明。
名称 | 富士山/ふじさん |
所在地 | 長崎県南島原市口之津町丙 |
ドライブで | 長崎自動車道諫早ICから約55km。口之津港から約2.5km |
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