長崎県五島市の玄関港、福江港にある幕末に構築された防波堤が常灯鼻(じょうとうばな)。30代藩主・五島盛成(ごとうもりあきら)が福江城(石田城)を築く際(三方向が海に臨む海城)、城の北東から吹き寄せる大波を防ぎ、築城工事を容易にするため築かせたもの。
福江城を築城の際の防波堤が現存
江戸時代初期に城を焼失して以降、福江藩五島家は、石田陣屋を藩庁にしていましたが、国境に位置する五島列島に異国船の影が増えたことから、防備のための福江城(石田城)が築城されたのです。
野面積みで積まれた福江城(石田城)の石垣は、滋賀県の大津の石工集団が担当。
石垣は、鬼岳が噴火した時に流れ出た溶岩が、海で冷え固まってできた玄武岩で、戸楽から長手に至る海岸の石切り場で切り出されています(福江城の石垣も同じです)。
常灯鼻も同じ石工、石材によって築かれたと推測できます。
防波堤としての役割のほか、福江湊に出入りする船の航行安全を守る灯台としての役目も担っていました。
現在も激しい波や風に耐え、現役の防波堤として機能しています。
福江港ターミナル近くにあるので、福江港で下船したら、まずは入江にある常灯鼻の確認を。
長崎県平戸市には、元和2年(1616年)、オランダ商館大増築の時、防波堤と灯台を兼ねて築造された「常灯の鼻」があり、それを真似たのかもしれません。
常灯鼻 | |
名称 | 常灯鼻/じょうとうばな |
所在地 | 長崎県五島市東浜町 |
関連HP | 五島市公式ホームページ |
問い合わせ | 五島市観光物産課 TEL:0959-72-6111 |
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