尼御前公園

尼御前公園

長崎県五島市三井楽町、波砂間(はさま)地区と浜窄(はまさこ)地区の境界の海岸にあるのが尼御前公園。五島でも訪れる人の少ない公園で、遣唐使船も立ち寄った三井楽から、貿易目的で唐に渡ろうとした船が沈没し、夫の死を嘆いた尼御前が命を絶ったとも伝えられ、尼御前の墓が残されています。

「西方浄土の島」に暮らした尼御前の悲話

尼御前公園
尼御前の墓と伝わる石塔

尼御前の話は、伝承の域を出ませんが、尼御前の墓には旧暦10日を命日に、波砂間の婦人たちが香花を供えてお参りしていることから、かつて高貴な人が暮らしていたことはよくわかります。

平安時代の後期、大宰府権師・源経信の子・源俊頼は、『散木奇歌集』(さんぼくきかしゅう=自撰家集、10巻、 1622首)で「尼上うせ給いて後みみらくの島のことを思いてよめる」と前書し、「みみらくの我日本(わがひのもと)の島ならば、けふも御影(みかげ)にあはましものを」という歌を記していますが、「尼上」が祀られる尼御前ではないかと推測する人も。

同じ平安時代の藤原道綱母の『蜻蛉日記』(かげろうにっき)には、「亡き人に逢える島―みみらくのしま―」として三井楽は紹介され、後に福江島は死者に逢える西方浄土の島として広く歌枕となっているので、東シナ海に散った亡き夫に会うために、高貴な女性がこの地で暮らしたのかも知れません。

尼御前公園の南側には浜窄港があるので、それを目印にアプローチを。
尼御前公園の背後にそびえる航空自衛隊福江島分屯基地のレーダーが見えるピークは、盾状火山の京ノ岳で、福江火山群のひとつ。
三井楽半島の海岸線は、この京ノ岳の溶岩流で形成され、京ノ岳も活火山ということに。

尼御前公園
名称 尼御前公園/あまごぜんこうえん
所在地 長崎県五島市三井楽町波砂間
関連HP 五島市公式ホームページ
ドライブで 福江港から約26km
問い合わせ 五島市三井楽支所 TEL:0959-84-3111
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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