牧野古墳

牧野古墳

奈良県北葛城郡広陵町にある馬見古墳群(うまみこふんぐん)の1基が、牧野古墳(ばくやこふん)。北群・中央群・南群の3群からなる古墳群の中央群を構成する古墳で、馬見丘陵中央部の尾根末端を利用して築かれた直径50mの大型の円墳で、埋葬施設の横穴式石室が南向きに開口しています。

横穴式石室は、石舞台古墳に次ぐ大きさ

牧野古墳

墳丘は3段築成で、尾根の末端を利用しているため、最上段のみ円形に。
横穴式石室は全長17.1m(玄室の長さ6.7m、幅3.3m、高さ4.5m、羨道の長さ10.4m、幅1.8m)と、巨大な横穴式石室の多い奈良県でも、最大級のもの。
しかも石室の構造は崇峻天皇陵とする説が有力な赤坂天王山古墳(桜井市)と同じ設計のため、ヤマト王権の大王に関わる石工集団が築いたものだと推測できます。

石室は盗掘にあっているものの、馬具、400本近い鉄鏃(てつぞく=鉄製の矢尻)、金環、銀装大刀、ガラス玉などが出土しています。

被葬者に関しては、敏達天皇(びだつてんのう)の第一皇子・押坂彦人大兄皇子(おしさかのひこひとのおおえのみこ=舒明天皇の父)とする説が有力です。
馬見丘陵にはもともと石がない土地なので、これだけの巨石を運び上げたことを考えても、被葬者はかなりの権力者だったことがわかります。

牧野古墳の一帯は「牧野史跡公園」として整備され、見学が可能。
石室内部は特別公開時のみ見学ができます。

牧野古墳
牧野古墳
名称 牧野古墳/ばくやこふん
所在地 奈良県北葛城郡広陵町馬見北8丁目
関連HP 広陵町公式ホームページ
ドライブで 西名阪自動車道香芝ICから約3.5km
駐車場 なし
問い合わせ 広陵町教育委員会事務局文化財保存課 TEL:0745-55-1001
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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