長崎県長崎市筑後町にある黄檗宗(おうばくしゅう)の寺、福済寺(ふくさいじ)。寛永5年(1628年)に建立され、崇福寺、興福寺、とともに「長崎三福寺」と呼ばれる唐寺の一つで、戦前は国宝に指定された堂宇は、長崎に投下された原爆で焼失。昭和54年に万国霊廟長崎観音が建立されています。
大雄宝殿(本堂)のあった場所に観音像を建立
慶長18年(1613年)、キリシタン禁止令が出され、寺請制度(檀家の寺から寺請証文を受けることを民衆に義務付)が定められると、長崎在住の華僑(明国人)も唐寺を建立する必要性が高まりました。
寛永5年(1628年)、福建省泉州府出身の僧・覚海(かくかい)が新寺を創建して、天后聖母(媽祖)を祀っていますが、これが福済寺の始まり。
覚海は、寛永14年(1637年)、後任を定める以前に死去し、慶安2年(1649年)、蘊謙戒琬禅師が来日し、諸堂を創建しています。
明治43年、本堂(大雄宝殿)、青蓮堂、回廊など諸堂が国宝(旧国宝、現行法の重要文化財に相当)に指定されますが、昭和20年8月9日の原爆投下で焼失。
昭和54年に原爆被災者と戦没者の冥福を祈って、長崎の街を見守るかたちで、万国霊廟長崎観音が建立されています。
万国霊廟長崎観音が立つ場所は、かつて国宝に指定される大雄宝殿(本堂)のあった場所。
霊廟は、なんと亀の形をした台座で、その上に像高18mの観音像が立っています。
台座の内部には内部には地球の自転を示す「フーコーの振り子」(1851年、フランスのレオン・フーコーが考案した振り子、長さ25.1mで日本最大級)が置かれています。
福済寺 | |
名称 | 福済寺/ふくさいじ |
所在地 | 長崎県長崎市筑後町2-56 |
関連HP | 長崎市公式ホームページ |
電車・バスで | JR長崎駅から徒歩8分 |
問い合わせ | 福済寺 TEL:095-823-2663 |
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