長崎県東彼杵郡波佐見町にある窯室数33、全長160m以上という世界最大級の登窯の跡が、中尾上登窯跡(なかおうわのぼりかまあと)。白岳山麓にあって白岳窯とも称した登窯で、青磁・3本足付香焚・青磁山水・染付茶碗・蛇の目重ね茶碗などが遺物。肥前波佐見陶磁器窯跡として国の史跡になっています。
大新登窯に次ぐ、世界第2位となる巨大な登窯の跡
波佐見町内には中尾上登窯跡のほか、波佐見畑ノ原窯跡、 三股青磁窯跡(みつのまたせいじかまあと)、長田山窯跡、、永尾本登窯跡、肥前波佐見陶磁器窯跡の窯跡5ヶ所と、大村藩が窯業指導と管理にあたった皿山役所跡、陶石を採掘した三股砥石川陶石採石場の合計7ヶ所は、肥前波佐見陶磁器窯跡として国の史跡になっています。
大村藩が編纂した『大村郷村記』によれば「中尾皿山は、天保元年(1644年)始めて建立なり」とあり、江戸時代初期に築かれたものだとわかります。
大村藩の皿山役所跡は、寛文6年(1666年)に設置されているので、大村藩が波佐見焼を重要な産業として育成に力を注いでいたことがわかります。
波佐見町内には、波佐見焼400年の歴史を伝える登窯跡が30ヶ所以上確認されていますが、なかでも大新登窯(おおしんのぼりがまと/全長170m、窯室39室)と中尾山にあった中尾上登窯とは、世界1位、2位の規模を誇る巨大な登窯の跡になっています。
波佐見では、江戸時代中期以降、巨大な窯を築いて日常容器を大量生産し、コストダウンを図るようになり、登窯でも日常使いの「くらわんか碗」が生産され、廃窯となった昭和4年頃まで、白磁、青磁、染付の碗や皿などが量産されたのです。
平成3年に行なわれた中尾上登窯跡の発掘調査で、焚き起し付近の室と最上部窯尻の溝部分が判明し、上登窯の全長は160m以上、窯壁の幅が7m前後で、当時、世界最大級であったことが確認されています。
波佐見町では発掘調査の成果を背景に、レンガ造りの長大な登窯を復元しています。
中尾上登窯跡 | |
名称 | 中尾上登窯跡/なかおうわのぼりかまあと |
所在地 | 長崎県東彼杵郡波佐見町中尾山 |
関連HP | 波佐見町観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | JR有田駅からタクシーで20分 |
ドライブで | 西九州自動車道波佐見有田ICから約6km |
問い合わせ | 波佐見町教育委員会 TEL:0956-85-7355/FAX:0956-85-7355 |
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