国宝や重要文化財指定の刀剣の約半数、日本全国に残る刀剣の約8割を占める名刀「備前長船」(びぜんおさふね)の産地、岡山県瀬戸内市長船町。刀剣や刀剣の資料を集めた備前長船刀剣博物館は昭和58年の開館。「備前長船刀剣工房」や、刀の古式鍛錬の公開と伝統技術継承のための施設として「備前長船鍛刀場」も併設されています。
名刀「備前長船」の製造の瀬戸内市長船町にある刀剣博物館
備前国邑久郡長船は古くは鉄の産地として、平安時代後期には刀の産地として知られるようになり、鎌倉時代中期から室町時代末期までは優れた刀鍛冶(かたなかじ=日本刀を作る職人)が高水準の刀を大量に生産していた場所。
南北朝時代に刀工・備前長船兼光(びぜんおさふねかねみつ)を輩出するなど、中世、長船刀工が製作した刀剣は長船物(おさふねもの)として高く評価され「備前長船」の名は、天下に轟いたのです。
戦国時代には、「束刀」、「数打」と呼ばれる大量生産体制を築いています。
備前長船兼光が作った現存する刀剣の多くは、国の重要文化財に指定されていますが、個人蔵も多いので、「備前長船刀剣博物館」は、製造風景から展示までの実に貴重な施設になっています。
備前長船刀剣博物館では常時40口ほどを展示公開。
県の重要無形文化財保持者・故今泉俊光刀匠の記念館「今泉俊光刀匠記念館」や、塗師(ぬりし)・白銀師(しろがねし)・刀身彫刻(とうしんちょうこく)の匠が入居する「備前長船刀剣工房」も併設。
「備前長船刀剣工房」は一般公開され、日曜、祝日には研師(とぎし)が、各日曜には柄巻師(つかまきし)が、第2日曜には鞘師(さやし)も技を見せてくれています。
「備前長船鍛刀場」では、日本刀の刀身を作る刀匠の作業風景を見学可能。
毎月第2日曜(11:00、14:00の2回)には、日本刀の刀身を作る刀匠の古式鍛錬を公開しています。
古来の御番鍛冶のように、毎月、横座の刀匠が変わり、大鎚を打つ先手も変わるため相鎚も変化するというから注目を。
併設の「ふれあい物産館」では、刀剣類や備前小刀・刃物類を中心に、備前焼、工芸品など刀剣の里ゆかりの伝統美術作品を展示販売しています。
備前長船刀剣博物館 | |
名称 | 備前長船刀剣博物館/びぜんおさふねとうけんはくぶつかん |
所在地 | 岡山県瀬戸内市長船町長船966 |
関連HP | 瀬戸内市公式ホームページ |
電車・バスで | JR長船駅からタクシーで5分 |
ドライブで | 山陽自動車道山陽ICから約11km |
駐車場 | 35台/無料 |
問い合わせ | 備前長船刀剣博物館 TEL:0869-66-7767/FAX:0869-66-7971 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
取材・画像協力/岡山県観光連盟
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