備中高梁(岡山県高梁市)にある古刹、薬師院。西国三十三所の観音巡りを創始した花山法皇(かざんほうおう)の開基で、寛和2年(968年)、原村(現在の備中高梁駅周辺)に創建されたと伝えられています。天領時代の慶長5年(1600年)、備中代官・小堀正次(こぼりまさつぐ)が城下町整備の際に、現在地に移転しています。
階段と庭は『男はつらいよ』のロケ地
城郭のようにそびえる石垣は、小堀正次以降も築かれ続け、元和10年(1624年)に完成しています。
すぐ南隣の松連寺とともに、いざという時の備中松山城の砦という役割を担っていたと推測できます。
江戸時代初期は天領、そして江戸時代中期以降は譜代大名の板倉家が藩主だったことを考えると、5万石〜6万石の小藩でも、幕府は水陸交通の要衝で、備中支配の拠点となる高梁を重視していたことがわかります。
庭園は江戸時代初期の築庭。
本堂は、岡山県の重要文化財、仁王門、延命地蔵菩薩は高梁市の文化財に指定されています。
高い石垣を上る石段は、『男はつらいよ』シリーズ第32作『口笛を吹く寅次郎』(昭和58年公開)のロケ地にもなっています。
さくらの夫・博(前田吟)の出身地が備中高梁という設定で、博の亡父の三回忌が近くなったのを思い出し、寅さんは博の故郷の備中高梁を訪ね、寺の住職が二日酔いになり、寅さんは代わって法事を務めることに。
法事を無事終えて、階段を下る寅さんを、和尚の娘・朋子(竹下景子=マドンナ役)が迎えるというシーンです。
薬師院本堂前の石庭も寅さんが砂目を入れるシーンがあり、薬師院は重要なロケ地だったのです。
薬師院 | |
名称 | 薬師院/やくしいん |
所在地 | 岡山県高梁市上谷町4100 |
関連HP | 高梁市観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | JR備中高梁駅から徒歩5分 |
ドライブで | 岡山自動車道賀陽ICから約12.5km |
駐車場 | 10台/無料 |
問い合わせ | 薬師院 TEL:0866-22-2575 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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