沖縄県うるま市、沖縄本島とは藪地大橋で結ばれる藪地島(やぶちじま)の東南部にあるのが、藪地洞穴遺跡(ジャネー洞)。ジャネー洞と呼ばれる琉球石灰岩洞穴は、奥行き4m、幅19mほど。令和3年に1万年~9000年前の女性の人骨片が出土し、話題を集めています。
1万年ほど前の女性の人骨が出土
昭和35年の発掘調査では、11層にもなった地層の最下層から約6700年前(縄文時代早期)と推定される沖縄県最古級のヤブチ式土器(爪形文土器)が出土していましたが、平成26年〜平成28年の発掘調査で、県内最古の9000年以上前の土器も発見。
1万年ほど前の人骨も平成26年〜平成28年の発掘調査で出土したもので(出土品の整理の段階で、石の破片と思われていたものが人骨片と判明)、地層や骨の形態的特徴から、貝塚時代の人骨と推測されます(沖縄の時代区分では貝塚時代前期、九州以北の時代区分では縄文時代早期の1万~9000年前のものと判定)。
1万年前ということは、これまで沖縄県で発見された貝塚時代の人骨では最古ということになり、1万4000年前以前の「港川人」など旧石器時代と7000年前以降の貝塚人(貝塚時代=縄文時代〜11世紀)間に位置し、これまでの空白期間が埋まるのではないかと期待されています。
洞窟の前には拝所も設けられ、島の神聖なる地として遙拝されているので、マナーを守って見学を。
遺跡が海岸近くにあることから、当時の生活が漁労中心であったことは、容易に推測でき、祖先がどこから来たのかを紐解く大きな手がかりにもなる遺跡です。
ちなみに、爪形文土器(縄文土器の一様式)と呼ばれるのは指頭や爪で押文様を施しているからで、本州では長野県諏訪市・諏訪湖底曽根遺跡からも出土しています。
藪地洞穴遺跡(ジャネー洞) | |
名称 | 藪地洞穴遺跡(ジャネー洞)/やぶちどうくついせき(じゃねーがま) |
所在地 | 沖縄県うるま市与那城屋慶名東藪地 |
ドライブで | 沖縄自動車道沖縄南ICから約18km |
駐車場 | あり/無料 |
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