山里の円錐カルスト(本部富士)

山里の円錐カルスト(本部富士)

沖縄本島の本部半島にある沖縄県本部町の山里地区は日本で唯一の円錐カルスト地形のあるエリア。山里の円錐カルストと呼ばれる一帯は、桂林に代表される熱帯カルストの北限に位置しています。なかでも標高240mほどのピーク(国土地理院の地形図には山名表記がない無名峰)は、その円錐形の山容から本部富士と呼ばれています。

円錐カルスト国定公園遊歩道も整備

円錐カルスト(コーンカルスト)は、カルスト地形の一種で、亜熱帯から熱帯の高温多湿な気候条件の地域で見られる円錐状の丘陵や岩山のこと。
本部町の山里地区から大堂地区にかけての一帯は、今から約2億年前(中生代三畳紀)にサンゴ礁から生まれた古期石灰岩質の地質(本部半島や大宜味村、辺戸岬に分布する灰色から 黒色を呈する緻密で硬い石灰岩層)で、降雨による溶食で円錐状に岩石が溶け残った結果、国内唯一の円錐カルスト地形が誕生したもの。
本部富士(ミラムイ)や、標高237.0mのウフグシクムイ(ムイ=盛り上がった地形のこと)、デークムイ、メーラムイ、シマジュウムイ、ソウジムイといった山もこのエリアにあるので県道115号の山里~大堂を走る際にはお見逃しなく(国土地理院の地形図上はすべて無名峰になっています)。
本部半島の景観は、太古に海底で堆積した物質がプレートテクトニクスによって移動し、活発な地殻変動で隆起、さらに浸食で壮大なオブジェが誕生したもの。
全長2.6kmの円錐カルスト国定公園遊歩道(本部ふるさと歩道)も整備され一周25分ほど。

本部ふるさと遊歩道入口駐車場と地元の人が利用する本部富士の登山口(兼増地区)とは山の反対側にありますが、一般的には本部ふるさと歩道の駐車場に車を入れ、遊歩道途中から本部富士に登るのがおすすめです(本部富士への分岐の表示を見落としやすいのと、かなり険しく固定ロープが設置の場所がある岩登り的な急登となります)。

ちなみに本部富士よりも小笠原諸島・母島の小富士は少しだけ南にあり、日本最南端のふるさと富士は小富士ということになっています。

山里の円錐カルスト(本部富士)
名称 山里の円錐カルスト(本部富士)/やまざとのえんすいかるすと(もよぶふじ)
所在地 沖縄県国頭郡本部町山里598
関連HP 本部町観光協会公式ホームページ
ドライブで 沖縄自動車道許田ICから約24km
駐車場 本部ふるさと歩道駐車場を利用
問い合わせ 本部町観光協会 TEL:0980-47-3641/FAX:0980-47-3412
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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