沖縄県浦添市勢理客4丁目にある、国立の劇場が、国立劇場おきなわ。ユネスコの世界無形文化遺産「組踊」や、国の重要無形文化財「琉球舞踊」、三線音楽(さんしんおんがく)、沖縄芝居など沖縄の伝統芸能を上演するための劇場で、定期公演も行なわれています。
沖縄の伝統芸能を上演
公益財団法人国立劇場おきなわ運営財団が運営し、単に公演を行なうだけでなく、演者の絶対数が不足する「組踊」の立方、地方の伝承者の養成事業、調査研究、資料の収集、公演記録の作成・公開、さらには伝統芸能を通したアジア・太平洋地域との交流事業も展開しています。
組踊は、唱え、音楽、踊りによって構成される歌舞劇で、主従関係にあった中国の冊封使(さくほうし=琉球王国の新しい国王を任命するためにやって来る中国皇帝の使者)を歓待するため、18世紀初頭の踊奉行・玉城朝薫(たまぐすくちょうくん)が創始、1719年の尚敬王(しょうけいおう)の冊封儀礼の際に「朝薫の五番」のひとつに数えられる組踊の代表作『二童敵討』(にどうてきうち)、『執心鐘入』(しゅうしんかねいり)を冊封使・徐葆光(じょほこう)の前で初演しています。
琉球舞踊には、「古典舞踊」、「雑踊」、「創作舞踊」があり、「古典舞踊」は、冊封使を歓待する舞台での踊りがルーツです。
三線(さんしん)は14世紀末頃に、中国から伝来した楽器で、当初は宮廷楽器として定着し(琉球王府では貝摺奉行で三線を製作)、士族たちによって演奏されたものですが、その後庶民の間に定着、沖縄を代表する音色となったのです。
沖縄芝居は、「歌劇」と「方言せりふ劇」があり、近代になった明治20年代に、那覇に本格的な芝居小屋が建てられています(本格的な歌劇の登場は明治40年代)。
沖縄版ロミオとジュリエット『泊阿嘉』(とぅまいあーかー)、封建時代の名門の士族と門付芸人の娘の恋とその子二代にわたる長編の悲劇『奥山の牡丹』(大正3年、中座で初演、作・伊良波尹吉)、伊江島の男性と辺士名の女性の悲しい恋物語『伊江島ハンドー小』は三大悲歌劇と呼ばれ、現在でも人気のある作品
国立劇場おきなわは、琉球王国時代の家屋などを基にしたデザインで設計された地下1階、地上3階の建物で、大劇場(632席)、小劇場(255席)があります。
自主公演のチケットは「チケットぴあ」などで販売。
国立の劇場は、東京の国立劇場、新国立劇場、国立能楽堂、大阪の国立文楽劇場、そして沖縄の国立劇場おきなわの全国5施設です。
国立劇場おきなわ | |
名称 | 国立劇場おきなわ/こくりつげきじょうおきなわ |
所在地 | 沖縄県浦添市勢理客4-14-1 |
関連HP | 国立劇場おきなわ公式ホームページ |
電車・バスで | 那覇空港国内線旅客ターミナル前から琉球バスで38分、勢理客(じっちゃく)下車、徒歩6分 |
ドライブで | 那覇空港から約6km |
駐車場 | 209台/無料 |
問い合わせ | 国立劇場おきなわ TEL:098-871-3311/FAX:098-871-3321 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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