国立文楽劇場

大阪府大阪市中央区日本橋1丁目、千日前通に面して建つのが、全国に5施設ある国立劇場のひとつ、国立文楽劇場（こくりつぶんらくげきじょう）。文楽とは大阪で成立し、ユネスコの無形文化遺産に登録される人形浄瑠璃文楽のこと。公演団体の公益財団法人文楽協会が、国立文楽劇場で上演。

ユネスコの無形文化遺産に登録される人形浄瑠璃文楽を上演

文楽は、摂津国天王寺村の農家に生まれた竹本義太夫（たけもとぎだゆう）が貞享元年（1684年）2月、大坂に「竹本座」を創設し、人形浄瑠璃の興行を始めたのが始まり。
大坂で誕生した義太夫節は、近世の大坂のイントネーションで語られるという伝統芸です。
物語の情景や人物の心情を語りで観客に伝える「太夫」（たゆう＝浄瑠璃語り）、三味線の音で物語の心を表現する「三味線弾き」、1体の人形を3人（人形の頭と右手を遣う主遣い・おもづかい、左手を遣う左遣い、足を遣う足遣い）で操る「人形遣い」の「三業」（さんぎょう）で成り立つ三位一体の演芸です。
義太夫節を演奏する場が床（ゆか）で、太夫と三味線弾きは盆回し（ぼんまわし）に座ったまま登場します。

文楽が定期的に公演されるのは、国立文楽劇場と、東京の国立劇場の小劇場の2ヶ所。

国立の劇場は、東京の国立劇場、新国立劇場、国立能楽堂、大阪の国立文楽劇場、そして沖縄の国立劇場おきなわの全国5施設です。

国立劇場

東京都千代田区隼町にある独立行政法人日本芸術文化振興会が運営する劇場が、国立劇場。歌舞伎、日本舞踊、演劇用の大劇場、文楽、邦楽、琉球舞踊、小規模な日本舞踊、雅楽、声明、民俗芸能が上演される小劇場があります。落語・漫才などを上演する国立演芸場

国立能楽堂

 東京都渋谷区千駄ケ谷4丁目にある能楽専門の公演場が、国立能楽堂。昭和58年、大江宏（おおえひろし）の設計で竣工。国立劇場と同様に独立行政法人日本芸術文化振興会の運営で、627席を有し、毎月の定例公演のほか、企画公演があります。食

国立劇場おきなわ

沖縄県浦添市勢理客4丁目にある、国立の劇場が、国立劇場おきなわ。ユネスコの世界無形文化遺産「組踊」や、国の重要無形文化財「琉球舞踊」、三線音楽（さんしんおんがく）、沖縄芝居など沖縄の伝統芸能を上演するための劇場で、定期公演も行なわれています

新国立劇場

東京都渋谷区本町1丁目にある劇場が、新国立劇場。全国5ヶ所にある国立劇場のひとつで、オペラ、バレエ、ダンス、演劇など最高水準の舞台を上演する劇場です。次世代育成のため、オペラ研修所、バレエ研修所、演劇研修所を併設しています。世界最高水準の現