西陵古墳

西陵古墳

大阪府岬町の淡輪(たんなわ)にある西陵古墳(さいりょうこふん)は、全長210mの巨大な前方後円墳。大きさだけでいえば、近くにある宇度墓古墳より大きく、全国ランキングの26位。周囲には堀が巡っていますが、その南側が畑と地続きで、徒歩道を使って陵の頂に立つことも可能。5世紀前半頃の築造。

淡路島を眼前にする淡輪にある全長210mの巨大古墳

西陵古墳
西陵古墳

西陵古墳の被葬者は同じ淡輪にある古社・船守神社の祭神である紀小弓宿禰(きのおゆみのすくね)とも五十瓊敷入彦命(いにしきいりひこのみこと)ともいわれています。
宮内庁が五十瓊敷入彦命の陵墓とする宇度墓古墳(淡輪ニサンザイ古墳)も近くにあり、淡路島を眼前とする淡輪古墳群を形成しています。

周濠外側には陪塚が3基あり、うち1基は鉄道敷設で失われています。

紀小弓宿禰は、『日本書紀』に雄略天皇の御代に新羅(しらぎ)との戦いに派遣した大将軍(おおいくさのきみ)とあり、新羅の王を遁走させるものの、病気で戦地で没と記されています。
『日本書紀』に「田身輪邑」(たむわのむら)に墓を築いたとあり、この田身輪邑が淡輪というわけなのです。
『和泉志』では近くある船守神社の祭神・紀船守の墓とする説を掲げ、実際の被葬者は定かでありません。

いずれにせよ紀氏のルーツで、海を渡る水軍を率いていたことは容易に想像できます。
背後に和泉山脈(地質的には中央構造線)が迫り、海に臨む大阪平野南端の淡輪の豪族が朝鮮半島の出兵に常に関わっていたという点から、この地は古代日本の海外派兵の拠点だったのかもしれません。

西陵古墳
西陵古墳
西陵古墳
名称 西陵古墳/さいりょうこふん
所在地 大阪府泉南郡岬町淡輪
関連HP 岬町公式ホームページ
電車・バスで 南海電鉄みさき公園駅から徒歩10分
ドライブで 阪和自動車道泉南ICから約12.4km
駐車場 なし
問い合わせ 岬町教育委員会 TEL:072-492-2715
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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