大阪市の堂島川(旧淀川)に架かる美しい歩行者専用橋が水晶橋。もともとは橋ではなく、堂島川の水質改善を目的に築かれた堂島川可動堰(昭和4年完成)。河川浄化を目的として建設されたゲートでしたが、昭和57年に鉄筋コンクリートアーチ橋として生まれ変わっています(法律上も橋と認定)。平成14年に可動堰部分も撤去されています。
堂島川可動堰を歩行者専用橋に再生
鉄筋コンクリート製の堂島川可動堰も、すぐ下流側に架る大江橋、土佐堀川の淀屋橋と同じく、大正10年にスタートした第一次大阪都市計画事業の一環として建設されたもの。
大正後期から昭和前期にかけての大阪市はまさに大大阪で、市域面積や人口、工業生産額で当時の東京市を上回り、名実ともに日本一の大都市だったのです。
堂島川可動堰も景観面から徹底的にデザイン性が吟味されて、建設されています。
意匠などの設計は大阪市土木部 ・伊藤正文(大江橋、淀屋橋のデザインコンペでは採用された大谷瀧雄に次ぐ2等になっています)。
大阪鉄工所が鋼材をつくり銭高組が施工。
橋長72.33m、幅員は9.09mで、アスファルト舗装だった橋面は、花崗石と花崗擬石で敷き直され、歩行者専用橋として余生を送っています(歩行者が歩く機能は可動堰時代にもありました)。
本体のアーチ部分とその上のデザインとして施された9つの小アーチの組み合わせが、絵になるとして写真撮影や絵画の題材にもなる美しい橋です(夜間は照明がついてさらに優美に)。
橋の名の由来は定かでありませんが、橋上の照明灯が水面に映る様子が水晶の輝きのようだというのが通説ですが、水都大阪が繁昌するようにという「水昌」に由来すると考える人もいます。
土木学会関西支部の「浪速の名橋50選」にも選定。
日本銀行大阪支店、大阪府立中之島図書館、大阪市中央公会堂など大阪を代表する近代建築群を一望にする最高のビューポイントにもなっているほか、散策の起点にも絶好です。
ちなみに土佐堀川に架かる歩行者専用橋の錦橋も土佐堀川可動堰を再生したものです。
水晶橋 | |
名称 | 水晶橋/すいしょうばし |
所在地 | 大阪府大阪市北区西天満2丁目〜中之島1丁目 |
関連HP | 大阪市公式ホームページ |
電車・バスで | 大阪メトロ・京阪淀屋橋駅、京阪大江橋駅から徒歩5分 |
問い合わせ | 大阪観光案内所 TEL:06-6131-4550 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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