大阪府藤井寺市にある墳丘長242mという巨大な前方後円墳が、岡ミサンザイ古墳。古市古墳群を構成する古墳で(古市古墳群では3番目、国内でも16位という巨大古墳)、百舌鳥・古市古墳群として世界文化遺産に登録。宮内庁は第14代仲哀天皇の陵に治定じています。
世界遺産登録の古市古墳群で3番目の巨大古墳
岡ミサンザイ古墳という不可思議な古墳名ですが、岡は墳丘のある地名、ミサンザイは、ミササギ(陵)の転訛で、本来は「岡の陵」(おかのみささぎ)の意。
5世紀末葉(古墳時代中期)の前方後円墳で、築造当時では全国的に見ても突出する巨大古墳のため、倭の五王(わのごおう=宋の正史『宋書』に登場する倭国の5代の王、讃・珍・済・興・武)最後の武(ぶ=第21代雄略天皇に比定)の墓ともいわれています。
宮内庁は、恵我長野西陵(えがのながののにしのみささぎ、惠我長野西陵)として第14代仲哀天皇の陵に治定しています。
宮内庁が管理するため墳丘への立ち入りはできず、仲哀天皇恵我長野西陵拝所から眺望することになります。
仲哀天皇がもし実在したとしても4世紀中頃の大王ということになり、古墳が造営された年代とは一致しません。
仲哀天皇の陵墓に治定されたのは、江戸時代末の文久3年(1863年)のことで、天皇陵補修の命を受けた宇都宮藩の重臣・戸田忠至(とだただゆき)によるもの。
明治時代には「日本アルプス」の命名者で、「日本考古学の父」といわれるウィリアム・ガウランド(William Gowland)が測量、写真撮影を行なっています(『日本の初期天皇陵とドルメン』に掲載)。
古市古墳群の巨大古墳BEST7
世界遺産ID | 古墳名 | 所在地 | 墳丘長 | 史跡指定 | 宮内庁治定 |
1593-033 | 誉田御廟山古墳 | 羽曳野市誉田 | 425m | 国の史跡 | 応神天皇陵 |
1593-026 | 仲津山古墳 | 藤井寺市沢田 | 290m | なし | 仲姫命陵 |
1593-023 | 岡ミサンザイ古墳 | 藤井寺市藤井寺 | 242m | なし | 仲哀天皇陵 |
1593-025 | 市野山古墳 | 藤井寺市国府 | 230m | なし | 允恭天皇陵 |
1593-038 | 墓山古墳 | 羽曳野市白鳥 | 225m | 国の史跡 | 応神天皇陵陪冢 |
1593-022 | 津堂城山古墳 | 藤井寺市津堂 | 208m | 国の史跡 | 藤井寺陵墓参考地 |
1593-045 | 軽里大塚古墳(白鳥陵) | 羽曳野市軽里 | 200m | なし | 日本武尊陵 |
岡ミサンザイ古墳 | |
名称 | 岡ミサンザイ古墳/おかみさんざいこふん |
所在地 | 大阪府藤井寺市藤井寺4丁目 |
関連HP | 藤井寺市公式ホームページ |
電車・バスで | 近鉄藤井寺駅から徒歩15分 |
問い合わせ | 藤井寺市教育委員会事務局教育部文化財保護課 TEL:072-939-1111/FAX:072-939-1419 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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