大分県竹田市、九州本土の最高峰1791mの中岳や1786.5mの久住山など、1700m級の10峰が連なる火山群がくじゅう連山。深田久弥の『日本百名山』には九重山として選定されていますが、その主峰で、一等三角点が置かれるのが久住山。南登山口コースは、かつて信仰登山に利用された古道です。
くじゅう連山の主峰で、一等三角点設置
東西13km,南北10kmのくじゅう連山。
空から見ると様々な山塊が幾重にも広がっており、周辺一帯は「阿蘇くじゅう国立公園」に含まれています。
その中心部にあるのが久住山、中岳、三俣山(みなたやま)、星生山(ほっしょうざん)です。
中岳、久住山、稲星山、白口岳(しらくちだけ)などが中岳火山で、平成7年〜平成8年には星生山東山腹で噴火もしています(気象庁は中岳、稲星山に観測機器を設置し、火山活動を監視しています)。
久住山の山頂部も溶岩ドームで、南側に2筋の溶岩流が流れた跡が確認できます。
くじゅう連山では、春はノコギリソウ、シライトソウ、ツリガネニンジン、初夏はドウダンツツジなどのツツジ群、湿地帯ではミズギボシ、キスゲ、オタカラコウ、シラヒゲソウなどが目を楽しませてくれるほか、ミヤマキリシマ、イワカガミ、マイヅルソウなど、貴重な高山植物も生育。
花の山旅ができることも人気の理由。
国の天然記念物指定のコケモモ群落がありますが、コケモモはくじゅう連山が日本の南限地となっています。
久住山の山頂からは祖母傾・阿蘇の山並みが一望のもと。
登山で人気なのは、やまなみハイウェイ沿いの牧ノ戸峠と長者原からのコース。
牧ノ戸峠からは寄り道しなければ2時間10分ほどで到達。
天狗ヶ城、中岳を経由して3時間40分ほど。
長者原からは諏蛾守越経由で2時間30分。
信仰登山で賑わった南登山口には、猪鹿狼寺(いからじ)本堂跡もあり、神仏習合時代の名残となっています(猪鹿狼寺は天正年間に戦禍で焼失し、江戸時代に山麓に再興)。
南登山口から久住山は標高差930mで、所要2時間30分。
久住山 | |
名称 | 久住山/くじゅうさん |
所在地 | 大分県竹田市久住町久住 |
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