坊ガツル

坊ガツル

大分県竹田市、くじゅう連山の最高峰・中岳、三俣山、ミヤマキリシマ群落の大船山などに囲まれ、標高1230mの山岳地域に形成された中間湿原が坊ガツル(坊がつる)。国内最大級の面積を誇るタデ原湿原とともに、「くじゅう坊ガツル・タデ原湿原」として、ラムサール条約の登録湿地になっています。

長者原から九州自然歩道で九州最高所の湿原へ

坊ガツルの湿原地帯を南北に九州自然歩道が縦断し、南端に法華院温泉が湧いています。
三俣山、大船山、さらに中岳・久住山などへの登山道も伸び、九州の岳人たちのオアシス的な存在になっています。
神仏習合時代、くじゅう連山一帯は天台宗の霊場として栄え、本坊弘蔵坊があったのが坊ガツル。
ツルとは水の流れる平坦地の意です。

阿蘇くじゅう国立公園に含まれ、九州本土の湿原で最も高地にあることから、ノハナショウブやサワギキョウなどの美しい高山植物が生育。
ミズゴケ・ヌマガヤ・シラヒゲソウなどの植物群落も見られる稀少植物の宝庫で、「九州の尾瀬」との呼び声も。
夏には坊ガツルキャンプ場も開設され、登山基地として賑わいを見せます。
入村無料で、休憩避難棟、トイレ、炊事場などが整備。

ハイキングは西の長者原駐車場からの雨ヶ池越ルート(九州自然歩道)と、北の吉部駐車場からのルートがありますが、長者原駐車場を起点とするのが一般的。
所要は片道2時間ほどで、登山の装備が必要(法華院温泉山荘まで2時間20分)。

坊ガツル
ラムサール登録湿地内にある坊ガツルキャンプ場

坊ガツルの山小屋で生まれた『坊がつる讃歌』

坊ガツル

「人みな花に酔うときも♫」の出だしで知られる『坊がつる讃歌』は、広島高等師範学校(現・広島大学)の山岳部第一歌「山男の歌」がベースで、昭和53年に芹洋子が歌って(作詞・神尾明正、松本征夫、作曲・竹山仙史)有名に。
昭和27年8月、九州大学の学生だった松本征夫、梅木秀徳、草野一人は、坊ガツルにある「しんつくし山岳会」所有の「あせび小屋」での小屋番となって滞在した時に生まれた歌。
梅木秀徳が広島高等師範学校の「山男の歌」をアレンジしたもので、昭和29年、「しんつくし山岳会」野田広一郎が譜面とともに発表、山好きたちが愛唱する歌に発展したのです。
昭和52年、阿蘇山麓での野外コンサートで芹洋子が歌の存在を知り、NHK『みんなの歌』で歌って有名に。
今では大分県を代表するご当地ソングになっています。

坊ガツル
名称 坊ガツル/ぼうがつる
所在地 大分県竹田市久住町有氏
電車・バスで JR由布院駅から九州産交バス熊本駅行きで42分、くじゅう登山口下車、徒歩2時間
ドライブで 大分自動車道湯布院ICから約28kmで長者原駐車場
駐車場 長者原駐車場・ビジターセンター駐車場(450台/無料)
問い合わせ 竹田市商工観光課 TEL:0974-63-4807
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
中岳(くじゅう連山)

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