茨城県龍ケ崎市、毎年7月下旬、3日間にわたって行なわれる上町の八坂神社『祇園祭』最終日の夕刻(18:00頃〜)、根町の撞舞通りで行なわれるのが、『龍ケ崎の撞舞』(りゅうがさきのつくまい)。高さ14mの丸柱の上で繰り広げられるアクロバティックな伝統の舞です。
撞舞とは、「長い柱の先端で舞う」こと
撞舞の起源には諸説あり、中国から伝来した散楽の流れを汲む蜘蛛舞(くもまい=細い綱を渡る姿をクモに見立てていう綱渡りの一種で、室町時代から江戸時代初めにかけて流行)が、五穀豊穣祈願や雨乞い、悪霊を払う疫病退散(『祗園祭』も京の疫病退散が狙いで創始)などの神事と結び付いたとする説が有力。
「撞」は柱や竹竿を意味する「橦」の字が転訛したものとされ、舞を行なう長い柱(撞柱)の先端を意味しています。
つまりは「長い柱の先端で舞う」ことが撞舞。
起源は定かでありませんが、使用される面に安政2年(1855年)の記載があることから、少なくとも19世紀前半以前には逆上ると推測されています。
「舞男」(舞の演じ手)は、筒袖襦袢(つつそでじゅばん)に裁着袴(たっつけばかま)の衣装と雨蛙の被り物を被り、囃子に合わせ、途中でも曲芸を披露しながら撞柱を上ります。
頂上に達すると、円座の上に立ち上り東西南北に矢を射り、その後、逆立ちをしたり、横木に仰向けに寝たりと様々な曲芸を演じ、最後に頭を下にして斜めに張った綱を滑り降ります。
綱を渡るとき大車輪などの大技を見せるなど、熟練の業が必要ですが、コロナ禍と「龍ケ崎市撞舞保存会」会員の高齢化の影響で、今後の継続が危ぶまれています。
国選択「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」にも選定される貴重なもの。
栃木県益子町の『八坂神社御神酒頂戴式』(7月24日)、東京都府中市・大國魂神社(おおくにたまじんじゃ)の『くらやみ祭』(4月30日〜5月6日) とともに関東三大奇祭にも数えられています。
画像協力/茨城県
龍ケ崎の撞舞|龍ケ崎市 | |
所在地 | 茨城県龍ケ崎市 |
場所 | 根町撞舞通り |
関連HP | 龍ケ崎市公式ホームページ |
電車・バスで | 関東鉄道竜ヶ崎駅から徒歩12分 |
ドライブで | 常磐自動車道谷和原ICから約23km |
駐車場 | 龍ケ崎市役所駐車場を利用 |
問い合わせ | 撞舞保存会事務局(龍ケ崎市役所商工観光課)TEL:0297-64-1111/FAX:0297-60-1584 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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