秩父札所3番の岩本山常泉寺は曹洞宗の寺で本尊は聖観音。抱くと子宝に恵まれる「子持石」、手漕ぎのポンプで汲み上げる霊泉「長命水」などがある山寺。観音堂は明治3年、秩父神社境内にあった蔵福寺が廃寺となる際に薬師堂を譲り受けて移築したもの。向拝(こうはい)に施された見事な彫刻は、玉井村(現・熊谷市)の名工、飯田和泉の作。
子育てにご利益ありの「子持石」が本堂に
本堂は、幕末の1847(弘化4)年に焼失後、1858(安政5)年の再建。
本尊は聖観音立像一木造り(像高97.3cm)で、室町時代の作。
かつては西北の岩窟に祀られていたとされ、そのため岩本観音と呼ばれていましたが、その後、別当寺である常泉寺に移されて、ここが札所となっています。
常泉寺の寺宝の一つで、本堂に安置される「子持石」は、妊娠の姿のような石で、子供の欲しい人は「子持石」を抱いて願をかけると子宝に恵まれると伝えられています。
納経所でもこの石の姿を摺った護符を授与しています。
本堂前の「長命水」と呼ばれる井戸は、干ばつでも枯れることがなく、それが常泉寺という寺名の由来。
初夏には、不動池の周囲にアジサイも咲き、秩父市のアジサイ名所のひとつになっています。
駐車場は本堂とはやや離れた入口にあるので、ご注意を。
広重・豊国作 『観音霊験記 秩父順礼』 第三番常泉寺
幕末の1858(安政5)年、午歳総開帳(うまどしそうかいちょう=札所本尊の総開帳)にあわせて、江戸で作成・販売された『観音霊験記』。秩父三番札所の常泉寺を描いた錦絵。
歌川広重が札所の様子を、さらに歌川豊国が札所にまつわる霊験(れいげん)を描いています。
常泉寺の観音霊験は、子持石と長命水のご利益が記されています。
霊場間の距離・時間
2番札所・真福寺(秩父市山田3095/納経所は光明寺=秩父市山田2191) — (2.5km/徒歩50分) — 3番札所・常泉寺(秩父市山田1392) — (1.4km/徒歩20分) — 4番札所・金昌寺(秩父市山田1803)
常泉寺(秩父三十四所観音霊場・札所3番) | |
名称 | 常泉寺(秩父三十四所観音霊場・札所3番)/じょうせんじ |
所在地 | 埼玉県秩父市山田1392 |
関連HP | 秩父三十四所観音霊場秩父札所連合会ホームページ |
電車・バスで | 西武鉄道西武秩父駅から西武観光バス三沢経由定峰・皆野駅ゆき19分、山田下車徒歩10分 |
ドライブで | 関越自動車道花園ICから約24km |
駐車場 | 10台/無料 |
問い合わせ | 常泉寺 TEL:0494-23-2050 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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