御影公会堂

兵庫県神戸市東灘区御影石町4丁目、国道4号の北側、石屋川沿いに建つレトロな公会堂が、御影公会堂（みかげこうかいどう）。白鶴酒造8代目・嘉納治兵衛の寄付などで昭和7年5月25日に落成した、当時の御影町の町立公会堂（現在は神戸市に合併し、神戸市立の公会堂）。国の登録有形文化財に指定されています。

御影地区の中心地に建つ、国の登録有形文化財に指定の公会堂

白鶴酒造8代目・嘉納治兵衛は明治11年、業界に先駆けて瓶詰めの酒を販売するなどして成功し、文化事業にも力を入れ、昭和9年には白鶴美術館を開館しています。
モダニズムを基調にした建物の設計は、旧鳥羽小学校校舎（国の登録有形文化財／三重県鳥羽市）、甲南漬資料館（神戸市東灘区）など、小学校を主体に公共建築を多く手掛けた清水栄二（しみずえいじ）で、大林組の施工。

神戸大空襲で一面が焼け野原となるほど被災し（野坂昭如『火垂るの墓』にも「御影第一第二国民学校御影公会堂がこっちへ歩いてきたみたいに近く見え」という描写があります）、内部は焼けただれてしまいますが、戦後、合併後の神戸市が徐々に修復。
平成7年1月17日の阪神・淡路大震災で再び大きな被害を受けたため、15億9700万円を投入して、建物外観をそのままにリニューアル工事が行なわれ、平成29年、再オープンしています。

地下に御影郷土資料室・嘉納治五郎記念コーナーが設置されています。

NHK連続テレビ小説『ごちそうさん』（平成25年放送）で、西門希子（高畑充希）の勤め先「大阪ラヂオ放送」として登場しています。