埼玉県上尾市、川越市、川島町の境界、荒川の河口から48km地点付近の開平橋上流、埼玉県道339号(平沼中老袋線)沿いの河川敷にあるのが、三ツ又沼ビオトープ。西に入間川が流れていますが、一帯は荒川と入間川のかつての合流点で、荒川の旧流路を利用してビオトープとして自然環境が保護されています。
かつての荒川・入間川合流点の自然環境を保全
現在の三ツ又沼一帯は、荒川の流れが大きく蛇行していたので、洪水の被害が大きく、昭和7年頃から合流点を下流側に移動する工事が行なわれ、昭和29年頃までに上江橋付近へと移されたため、かつての合流点が沼として残されたのです。
残された自然を守って欲しいと、地元の環境NGOなどが河川敷を管理する国土交通省に働きかけ、国土交通省荒川上流事務所が整備を行ない、平成13年に面積13haにも及ぶ三ツ又沼ビオトープがオープンしたのです。
三ツ又沼周辺にはハンノキ林、ヤナギの林、ヨシの茂る原、オギの草原などがあり、頭上をオオタカが舞うという自然環境。
三ツ又沼の畔、ハンノキ広場を起点に、オギの草原を巡る観察路(木道)も整備されています。
ハンノキは荒川の河川敷に生育していますが、「埼玉県の蝶」ミドリシジミの幼虫のエサとなるため、貴重な木でもあるのですが、荒川流域では減少しつつあり、「荒川ハンノキプロジェクト」と銘打って植栽を進めています。
週末などには、ビオトープ保全管理活動がボランティア(荒川の自然を守る会、あらかわ市民環境サポーター、あらかわ市民サブ環境サポーター)などにより行なわれ、貴重な環境が保全されているのです。
ちなみに、ビオトープ(Biotop)は、「有機的に結びついた生物群。すなわち生物社会(一定の組み合わせの種によって構成される生物群集)の生息空間」(ドイツ連邦自然保護局)という意味のドイツ語(英語ではバイオトープ・biotope)。
「地域の野生生物が暮らす場所」という意味合いの言葉で、三ツ又沼ビオトープは、荒川河川敷の豊かで貴重な自然と生物が残されたエリアとなっています。
三ツ又沼ビオトープ | |
名称 | 三ツ又沼ビオトープ/みつまたぬまびおとーぷ |
所在地 | 埼玉県上尾市平方 |
関連HP | 国土交通省関東地方整備局荒川上流河川事務所公式ホームページ |
電車・バスで | JR上尾駅から川越駅行きで15分、または、JR川越駅から上尾駅西口行きで27分、入間大橋下車、徒歩20分 |
ドライブで | 圏央道桶川北本ICから約8.5km |
駐車場 | あり/無料 |
問い合わせ | あらかわ市民環境サポーター事務局 TEL:049-220-0145 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
最新情報をお届けします
Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!
Follow @tabi_mag