Nipponia nippon(ニッポニア・ニッポン)という「日本代表」のような学名をもつ鳥、トキ。かつては北海道から沖縄まで日本各地に生息。その最後の1羽となったキンがいたのが佐渡ヶ島。新潟県の「県の鳥」、佐渡市の「市の鳥」でもあるトキは、佐渡で人工繁殖が行なわれ、「トキの森公園」に行けばその愛らしい姿を目にすることができます。
船を降りたら、まずはトキの森公園へ
「トキ資料展示館」では、絶滅したトキに関する基本知識が学べるほか、最後のトキ(平成15年10月10日没)となった「キン」の剥製も展示されています。
併設される「トキふれあいプラザ」は、小川が流れ、トキの生育環境を再現したケージ内で飼育されるトキを間近に観察することができます。
人工増殖されるトキは、訓練期間を経て、放鳥されており、佐渡の田園などでも運が良ければ観察することができます。
それでもあくまでそれは「運が良ければ」で、かつ、トキを追いかけ回すような行動は厳禁です。
というわけで、トキの森公園の「トキ資料展示館」で時に関する知識を仕入れ、「トキふれあいプラザ」でトキに対面するというのが、船を降りたら最初のプランとしておすすめなのです。
佐渡市ではトキは里山を主な生息地とする鳥のため、トキの生息環境の整備、環境保全型農業の実施(「生きものを育む農法」)、荒廃水田のビオトープ化などが行なわれています。
現在、佐渡島内の9割の水田が、トキにやさしい水田環境になっているのです。
安全でおいしい佐渡米を認証する「朱鷺と暮らす郷づくり」認証制度も導入され、トキと共存するために減農薬、有機農法などで生産される米が販売されています。
佐渡の「朱鷺と暮らす郷づくり」認証米を見かけたら、ぜひ、土産に購入を!
「トキと共生する佐渡の里山」は、国際連合食糧農業機関(FAO)の定める「世界農業遺産」(GIAHS)にも認定されているのです(日本はもちろん、先進国全体でも初の認定!)。
取材協力/新潟県観光連盟、佐渡観光交流機構
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