全国に鎮座する白鬚神社(しらひげじんじゃ)の総本社で、近江の国で最古の神社ともいわれる古社が滋賀県高島市に鎮座する白鬚神社。社伝(『白鬚大明神縁起絵巻』)によれば垂仁天皇の25年、倭姫命(やまとひめのみこと)が社殿を創建したという古社です。琵琶湖の湖中に絶景の鳥居を配して「近江の厳島」とも呼ばれ、被写体としても人気です。
『太平記』、謡曲『白鬚』で全国にその縁起が喧伝(けんでん)
祭神は、猿田彦命(さるたひこのみこと/猿田彦大神)で、白鬚という社名のとおり、延命長寿、長生きの神様として知られますが、縁結び、子授け、開運招福、学業成就、交通安全、航海安全など、すべての導きの神でもあるのです。
社伝によれば、白鳳2年(674年)に、天武天皇の勅旨により「比良明神」の号を賜ったのだとか。
祭祀のルーツは、比良山に対する信仰とも、渡来人が祖神を祀ったともいわれ定かでありません。
「白鬚」の初見は、弘安3年(1280年)の比良庄の絵図となっています。
縁起は南北朝時代の軍記物語『太平記』巻第十八「比叡山開闢事」に記され、それを元にして申楽師・観阿弥(かんあみ)作の謡曲『白鬚』観阿弥(かんあみ)作にも謡われ、白髭神社、白髯神社日本全国に300の分霊社が祀られています。
この謡曲『白鬚』からは、猿田彦命(猿田彦大神)が近江にやって来て白鬚明神(比良神)となり、湖国・近江の守護神となったと解説されています。
琵琶湖の湖中に建つ鳥居の撮影は、境内の展望台から撮影を
琵琶湖の湖中に朱塗りの大鳥居(鳥居の彼方に沖の島)があり、「近江の厳島」とも呼ばれています。
湖中に建つ鳥居は、琵琶湖の海上交通盛んな時代に、神社参拝の目印として建てられたと想像されています。
現在の鳥居は昭和56年も再建で、国道161号の道路端から58mの沖合いに。
湖岸道路の横断が危険のため(死亡事故が発生)、現状では神社側から見るだけに(展望台があります)。
国道161号をはさんで、琵琶湖に臨んで建つ社殿は、豊臣秀吉の遺命を受け豊臣秀頼が造営させたもので、慶長8年(1603年)築の本殿は国の重要文化財。
檜皮葺き(ひわだぶき)、入母屋造り、桃山時代特有の建築手法で建てられています。
白鬚神社の社務所は、昭和8年の建築ながら当時の神社建築の粋を集めた建造物で、国の登録文化財に指定されています。
境内には「しらひげの 神のみまへに わくいづみ これをむすべば ひとの清まる」という与謝野鉄幹・晶子夫婦の歌碑も立っています。
上の句は鉄幹、下の句が晶子の作で、大正初年に参拝した夫妻が、社前に湧き出る水の清らかさを詠んだもの。
高島市内の7社寺を巡る『西近江七福神めぐり』の寿老神を祀っています。
子供連れで参拝し、本名とは別に神様から名前を授かり、その名前で3日間子供を呼ぶことによって、健やかな成長と延命長寿、一生幸福のご守護を頂くというもの。
白鬚神社 | |
名称 | 白鬚神社/しらひげじんじゃ |
所在地 | 滋賀県高島市鵜川215 |
関連HP | びわ湖高島観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | JR近江高島駅からタクシーで5分 |
ドライブで | 北陸自動車道木之本ICから約45km |
駐車場 | 30台/無料 |
問い合わせ | 白鬚神社社務所 TEL:0740-36-1555/FAX:0740-36-1560 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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