滋賀県長浜市木之本町にある北国街道(ほっこくかいどう)の宿場町が木之本宿(きのもとじゅく)。鳥居本宿(現・滋賀県彦根市鳥居本町)で中山道と分かれ、金沢城下を結んだ北国街道。その宿場として栄えたのが木之本宿で、今庄宿(現・福井県南越前町今庄)を朝出立するとちょうど木之本で泊となる行程。
北国街道の宿場町の家並みが現存
木之本宿と関ヶ原宿を結んだ北国脇往還は、小谷城下通り抜け、戦国武将たちの活躍の道にもなっています。
賤ヶ岳の戦(しずがたけのたたかい)の際に、羽柴秀吉は大垣城から木之本(13里・約52km)まで、北国脇往還を5時間で駆け抜け(「大垣大返し」)、柴田勝家軍の動揺を誘っています。
江戸時代には、本陣、脇本陣、旅籠、問屋、商家などが200軒が軒を並べていたと記録されているので、近江、越前国境の山越えを控え、多くの旅人や越前の大名が利用したことがわかります。
『今庄羽根曽踊り』(いまじょうはねそおどり/福井県の無形文化財)に「今庄朝立ち、木之本泊まり、中河内で昼弁当」歌われるように、国境の栃ノ木峠(とちのきとうげ)を越え木之本で宿泊するのが一般的でした(距離にして40kmほどあり、当時の1日の行程に最適でしたが、北国街道の難関とされる国境越えもあり、距離以上に厳しい行程でした)。
木之本宿には昭和の初めまでは宿場の中央に防火用水を兼ねた水路が通り、柳が風に揺れた風情がありましたが、国道となった今では、舗装されて失われています。
木之本宿は、木之本地蔵院の門前町でもあり、地蔵院周辺には昔ながらの門前町・宿場町の家並みが残されています。
長浜市の景観形成重点区域にも選定され、町並み保存が図られています。
室町末期創業の冨田酒造、日本で第1号の薬剤師の本陣薬局(木之本宿本陣跡/国の登録有形文化財「竹内家住宅」)、山内一豊が名馬を購入した「馬宿・平四郎」(木之本では年2回牛馬市が開かれていました)、脇本陣山路清平家(山路酒造/国の登録有形文化財)などを見学しながら、宿場散策を楽しむことができます。
とくに本陣の遺構である本陣薬局は、現存する町家では最古の延享元年(1744年)の築。
山路酒造は室町期の創業で、現存する建物は昭和3年の再建。
木之本宿 | |
名称 | 木之本宿/きのもとじゅく |
所在地 | 滋賀県長浜市木之本町木之本 |
関連HP | 長浜観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | JR木ノ本駅から徒歩5分 |
ドライブで | 北陸自動車道木之本ICから約1km |
駐車場 | 木ノ本駅駐車場・観光駐車場を利用 |
問い合わせ | 長浜観光協会北部事務所 TEL:0749-82-5909/FAX:0749-82-5913 |
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