滋賀県高島市朽木と福井県小浜市の境(江若国境)、かつて日本海のサバを京に運んだ古道・鯖街道(さばかいどう)途中にある峠がおにゅう峠。峠から1.6kmほど滋賀県側に下った第一展望ポイントは、放射冷却する秋などには、美しい紅葉と雲海が期待でき、多くのカメラマンが集まります。
放射冷却する秋には紅葉と雲海のコラボが期待できる
滋賀・福井県境の山中ですが、滋賀県側の入口までは滋賀県道781号(麻生古屋梅ノ木線)が通じ、おにゅう峠までは平成15年10月に車道が開通、令和2年に全線舗装化され、雲海の展望スポットとして注目を集めるようになっています。
おにゅう峠は標高840mの高所に位置しますが、少し下った第一展望ポイントは標高720mほど。
例年10月下旬〜11月上旬が紅葉の見頃時期で、晴れた日の早朝、放射冷却により、安曇川(あどがわ)やその支流の針畑川(はりはたがわ)から生まれる朝霧が雲海を生むもので(川の比較的に暖かい水面に上空の冷気が流れ込んで発生)、太陽が昇るにつれて、霧は蒸発して消えていきます。
条件的には空に雲が無い快晴の朝、前夜から明け方にかけて温度が下がり(前日夕方の気温と当日明け方の気温に温度差が大きい)、しかも無風の日など条件が限られるため、雲海を目的に訪れても紅葉だけの光景の場合も。
しかも舗装道路とはいえ、対向車が来たら離合できずにバックする場所も多いので、運転に自信のある人向けのスポットです。
さらには撮影ポイントも車道沿い10mほどに限られるので、シーズンには夜明け前からカメラマンの三脚がズラリと並ぶことに。
雲海が発生しやすい時期は、近年の温暖化により年によって大きく変化しますが、10月下旬〜12月上旬頃が確率アップのシーズンです。
小入峠は、小浜から京を結ぶ最短コース・針畑越途中の峠
おにゅう峠は、小入谷(おにゅうだに/高島市朽木小入谷)の針畑川筋最奥の位置する峠で、小入峠と記すのが正式名ですが、現在ではひらがな表記が一般的。
若狭国(福井)と京の都を結ぶ鯖街道には、近江国(滋賀県)側は、(1)若狭街道で水坂峠を越え、今津に出て琵琶湖舟運や湖岸の街道を南下するもの、(2)若狭街道で水坂峠を越え、さらに花折峠を越えるルート、(3)根来から小入峠(おにゅう峠)を越え、花背峠を越えて京に入るコースがありました。
小入峠(おにゅう峠)を通るのは針畑越(はりはたごえ)で、険しい山道ながら小浜から京を結ぶ最短コースとして利用されていました。
現在も峠越えの車道は、隘路で、早朝、夕方などは鹿も出没するので運転は慎重に。
おにゅう峠・第一展望ポイント | |
名称 | おにゅう峠・第一展望ポイント/おにゅうとうげ・だいいちてんぼうぽいんと |
所在地 | 滋賀県高島市朽木小入谷 |
電車・バスで | JR安曇川駅からタクシーで1時間 |
ドライブで | 名神高速道路京都東ICから約60km |
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