江戸時代、東海道を京を目指して歩くと、左手に富士を見る場所は、茅ヶ崎(現・茅ヶ崎市)、吉原(現・富士市)の2ヶ所で「左富士」として珍重され、安藤広重の浮世絵にも描かれました。東海道新幹線で名古屋方面に向かう際にも、実は1ヶ所だけ左車窓に見える区間があり、 「幸せを呼ぶ左富士」と称されています。
名古屋方面への下り新幹線でも、「左富士」の場所が!
東海道新幹線の下り列車で富士山を存分に見ようと思ったら、2人掛け席の窓側のE席を選ぶのが絶対条件。
カップルならAとBを押さえれば、晴れていれば神奈川県内を走行していても箱根山の上などに顔を出し、三島から新富士あたりなら、右手に迫力ある富士の勇姿を眺めることができます。
逆に2人掛けが満席で、やむを得ずに3人掛けしか空いていないなら、窓際のE席の予約を。
海側ですが、1ヶ所だけ、運が良ければ富士山を目にできる区間があるのです。
それが、「のぞみ」なら静岡駅通過の少し先で、安倍川を渡る場所。
安倍川橋梁の先で、大きく左にカーブしていますが、ここが最初で最後の「左富士」チャレンジの場所です。
確実に目にしたいなら、静岡停車の下り「ひかり」、もしくは「こだま」を選べば、「のぞみ」よりも少しだけ左富士区間の「通過時間」が長くなります。
富士山頂までの直線距離は58kmあるので、晴れた日、夏なら雲が湧き上がらない時間帯という条件が付きます(夏の日中は三島・富士市側から湧き上がる雲で覆われることが日常的)。
なかなか目にすることのできない「左富士」のため、かつてのドクターイエローのように、「万一、見ることができたら幸せ」ということで、「幸せを呼ぶ左富士」、「幻の左富士」と称されているのです。
東海道本線なら安部川駅(静岡県静岡市駿河区)あたりでチラリと富士山の姿を視認できますが、屋根の上にあるので、こちらはあまり印象的ではありません。
東海道新幹線では、運悪く対向する列車が来ない限り、上りの東京行きでもE席なら安倍川手前で富士山を右手前方に目にできます。
上りのほうが振り返る動作がないので、目にしやすいのですがこちらは江戸に向かっての「右富士」ということに。
普通車、グリーン車で富士山側A席が確保できなかった際に、E席だったとしても、敗者復活的にこの「幸せを呼ぶ左富士」を楽しむのもおすすめです。
東海道新幹線下り列車で注目! 「幸せを呼ぶ左富士」とは!? | |
所在地 | 静岡県静岡市駿河区 |
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