新幹線の「急勾配」ランキング TOP10

急勾配のないイメージの新幹線ですが、実は1000m走るうちに30mも高度を稼ぐという30‰(パーミル)の急坂が連続する北陸新幹線(安中榛名駅〜軽井沢駅)の山登りなど、かなりの急勾配があります。ここではミニ新幹線を含めた急勾配のランキングTOP10を紹介します。

ミニ新幹線を除くと、九州新幹線がTOP

急勾配に強い九州新幹線800系

ミニ新幹線(山形新幹線、秋田新幹線)を含む最急勾配は、山形新幹線の38‰ですが、在来線の奥羽本線を標準軌に拡幅した区間なので、通常の高規格の新幹線でいえば九州新幹線の博多駅〜新鳥栖駅、新八代駅〜鹿児島中央駅が最急勾配で、35‰となっています。

九州新幹線は、トンネルを減らすことで建設費を抑制するため、ほかの新幹線に比べて勾配が多くなっていますが、35‰は、地質の問題でどうしても回避できなかった場所ということに。
九州新幹線を走る800系とN700系は、すべての車両がモーターを搭載する全車両モーターカーで急坂を克服しています。

同様に安中榛名駅〜軽井沢駅で連続する山登り(碓氷峠越え)が30kmにもわたって続く北陸新幹線も、急勾配区間における強力な登坂パワーのあるE2系0番代を開発しています(しかも軽井沢付近が電源周波数50Hzと60Hzの境目で、両周波数に対応する車両を開発)。

車内にいても30‰の急勾配だと車両の端と端(20mほどあります)でも60cmほど高低差があるので、じっくりと観察すると、急坂を実感できます。

新幹線の急勾配ランキング TOP10

順位勾配路線区間鉄道会社
1位38‰山形新幹線
(奥羽本線)
庭坂駅〜関根駅JR東日本
2位35‰九州新幹線博多駅〜新鳥栖駅JR九州
3位35‰九州新幹線新八代駅〜鹿児島中央駅JR九州
4位30‰北陸新幹線安中榛名駅〜軽井沢駅
(連続急勾配)
JR東日本
5位30‰北陸新幹線飯山駅~上越妙高駅
(飯山トンネル)
JR東日本
6位25.1‰秋田新幹線
(田沢湖線)
田沢湖駅〜赤渕駅間JR東日本
7位25‰東北新幹線東京駅〜大宮駅
(赤羽台トンネルなど)
JR東日本
8位20.8‰北海道新幹線新青森駅〜新函館北斗駅JR北海道
9位20‰東海道新幹線岐阜羽島駅〜米原駅JR東海
10位18‰山陽新幹線下関駅〜小倉駅JR西日本
10位18‰上越新幹線高崎駅〜上毛高原駅JR東海
新幹線の「急勾配」ランキング TOP10
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