明治36年に松江に天皇を迎えるために建築された興雲閣(こううんかく)。当時のお金で1万3489円をかけて完成した擬洋風建築です。建設当時は「ロシア宮殿風」と近隣に喧伝(けんでん)されたとか。日露戦争勃発などにより、山陰の行幸は実現しませんでしたが、その後、大正天皇が皇太子時代の行啓の際に宿泊所として利用しています。
明治45年の改築時の姿に復元
明治36年9月16日、松江城の二の丸に松江市工芸陳列所として完成。
明治天皇の山陰巡幸を願い、その行在所(あんざいしょ)としての機能を有したため、随所に装飾や彫刻が施されています。
残念ながら設計者は、今もわかっていません。
明治40年、皇太子嘉仁親王(のちの大正天皇)の山陰行啓の宿泊所となったのが皇族の宿泊の最初。
そのために松江市工芸陳列所まで積上道路(馬車道)を完成させています(昭和12年の『神国大博覧会開催』のため積上道路は撤去されています)。
その行啓後に興雲閣と改称されています。
木造白塗の壁に入母屋の瓦屋根をのせた擬洋風最晩年の建築で1、2階とも列柱廊を設けバルコニーを巡らせています。
正面には車寄せがあり、車寄せの周囲にも美しい装飾で飾る柱を配しています。
戦前は海軍人事部分室、戦後は県庁仮分室、松江市教育委員会事務局庁舎、松江郷土館として使われていましたが、明治45年当時の姿(明治45年に正面の階段を奥に移しています)に復原し、公開されています。
外観の淡緑色も明治45年当時の色彩です。
明治45年には『山陰鉄道連絡記念 物産共進会』(松江駅開業は明治41年)の美術会場にあてるため、階段室を増築し、2階を大広間に改修したのです。
1階では「亀田山喫茶室」が営業しています。
興雲閣 | |
名称 | 興雲閣/こううんかく |
所在地 | 島根県松江市殿町1-59 松江城山公園内 |
関連HP | 興雲閣公式ホームページ |
電車・バスで | JR松江駅から松江市営ぐるっと松江レイクラインバスで10分、松江城(大手前)下車、徒歩5分 |
ドライブで | 山陰自動車道松江玉造ICから約6km |
駐車場 | 市営大手前駐車場(66台/有料) |
問い合わせ | 興雲閣 TEL:0852-61-2100/FAX:0852-61-0255 |
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