島根県松江市島根町、隠岐へのフェリーの出航する島根半島の加賀港(かかこう)の北に突き出した潜戸鼻(くけどはな)にある奇勝が、加賀の潜戸(かかのくけど)。潜戸の名の通り、日本海の荒波で侵食された洞門(海蝕洞)があり、「マリンプラザしまね」から出航する潜戸観光遊覧船で探勝することができます。
小泉八雲が美しさを褒め称えた海蝕洞
『出雲国風土記』が佐太神社(さだじんじゃ)の祭神、佐太大神(さだのおおかみ〉の誕生の地として伝える「新潜戸」(正式名:神潜戸)は、岬の南側に開いた高さ40m、長さ200m、三方に通口がある大洞窟。
「旧潜戸」(正式名:仏潜戸)はさらに500mほど加賀港寄りにある高さ10m、長さ30m、賽の河原のある洞門です。
新潜戸は東、西、北と3つの入口が開く広い海蝕洞なので、波が穏やかであれば観光船が洞内に入ることができます。
小泉八雲が「これ以上に美しい海の洞窟は、そう考えられるものではない」(『知られぬ日本の面影』潜戸-子供の亡霊岩屋=In the Cave of the Children’s Ghosts)、島崎藤村が「海の女神の住居であったということも、あながち誇張とのみは思われない」(『山陰土産』)と絶賛した景勝地です。
見学は「マリンプラザしまね」から出航する潜戸観光遊覧船を利用。
旧潜戸では下船して洞窟内を探勝することができます。
加賀港近くにある加賀神社はかつて潜戸大明神と称した古社で、加賀の潜戸から現在地に遷座したと伝えられ、潜戸(海食洞)そのものが神体であったことがよくわかります。
旧潜戸は安山岩溶岩と火山角礫岩が浸食された洞門で、新潜戸は、級化成層が発達する火山砕屑岩や軽石凝灰岩の断層によって洞門が形成されたもの。
加賀の潜戸は、島根半島・宍道湖中海ジオパークのジオサイトになっています。
加賀の潜戸 | |
名称 | 加賀の潜戸/かかのくけど |
所在地 | 島根県松江市島根町加賀 |
関連HP | マリンプラザしまね公式ホームページ |
電車・バスで | JR松江駅から一畑バス沖泊行きで40分、マリンプラザ下車 |
ドライブで | 松江だんだん道路川津ICから約11kmでマリンプラザしまね |
駐車場 | マリンプラザしまね駐車場(200台/無料) |
問い合わせ | マリンプラザしまね TEL:0852-85-9111 |
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