断崖から白い絹糸を垂らしたように流れ落ちる優美なさまから、名が付けられたのが静岡県富士宮市の白糸の滝。高さ20m、幅121mで、富士山麓では最大の滝で、滝壺近くまで下りることも可能。川の水は平均水温11度と冷たく、夏でも周囲はひんやりと涼しく感じられます。世界文化遺産「富士山」、音止の滝とともに「日本の滝百選」に選定。
世界文化遺産「富士山」の構成資産のひとつ
源頼朝も巻狩りの際に滝に立ち寄り、「この上に いかなる姫や おはすらん おだまき流す 白糸の滝」と詠っています。
おだまき(苧環)とは麻糸を巻いた玉のこと。
富士講の開祖とされる長谷川角行(はせがわかくぎょう/1541年〜1646年)が修行を行なった地とされ、中世以降には富士講を中心とした人々の巡礼・修行の場となりました。
角行が修行したのは滝の上にある湧水池「おびの真金井(まがねい)」(お鬢水=おびんみず)で、富士講の聖地ということから世界文化遺産「富士山」(「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」)の構成資産のひとつとなっているのです。
溶岩の隙間から富士の伏流水が湧き出す!
白糸の滝の滝は溶岩層から地下水が湧出しているのですが、水が噴出する崖をよく見ると2つの地層から成り立っていることが分かります。
下部が古富士火山から噴出した火山灰や、火山岩が堆積した「古富士火山層」で、水を通さない層。
上部が富士山の爆発による「新富士白糸溶岩層」で、こちらは透水性がいい地層です。
つまり、水を通さない基部の上を水を通す溶岩流が覆い、その間から伏流水が湧き出ているという仕組み。
平均日量15.6万トンという膨大な湧水量を誇っています。
水量が多いため浸食も進み、1年で2cmずつ後退しています。
白糸の滝 | |
名称 | 白糸の滝/しらいとのたき |
所在地 | 静岡県富士宮市原上井出 |
関連HP | 富士宮市観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | JR富士宮駅から富士急行バス白糸の滝行きで30分、終点下車、徒歩5分で展望台。またはJR新富士駅から富士急行バス快速・特急富士急ハイランド・富士山五合目行きで58分、白糸滝入口下車、徒歩15分 |
ドライブで | 新東名高速道路新富士ICから約17km。または、東名高速道路富士ICから約19km |
駐車場 | 市営白糸の滝駐車場(100台/有料) |
問い合わせ | 富士宮市観光協会 TEL:0544-27-5240 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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