ニッポンの豪華な船旅(1) 太平洋フェリー(名古屋〜仙台〜苫小牧)

太平洋フェリー

日本のフェリーの豪華化の発端となったフェリーといえるのが太平洋フェリー(名古屋〜仙台〜苫小牧/1330km)。船旅専門誌『クルーズ』が平成4年から始めた「フェリーオブザイヤー」になんと、28年連続受賞(「いしかり」、2代目「いしかり」、「きそ」)という快挙を成し遂げています。

夕食は、和洋中が揃ったディナーブッフェ

その豪華フェリーが名古屋~仙台~苫小牧を結ぶ「きそ」(1万5795t、全長199.9m、乗用車113台、旅客定員768名、エレベーター4基)、「いしかり」(1万5762t、全長199.9m、乗用車100台、旅客定員777名、エレベーター3基)。
「きそ」は南太平洋のリゾートホテル、「いしかり」はエーゲ海の青い海をイメージしているとかで、往復の利用なら「きそ」、「いしかり」と分けて乗船するのがおすすめです。

ファミリーでの「初めての船旅」というなら、まずは太平洋フェリーがおすすめです。
関東圏の人なら、仙台まで高速道路、新幹線、高速バスなどを使い、仙台港から乗船、苫小牧港で下船し、北海道の旅を。
マイカーならラベンダー咲く初夏の時期なら、料金も割安なので狙い目です。

名古屋から苫小牧まで通しで乗ると船内で2泊することになりますが、実際に乗船してみると、シアターラウンジでのショーや映画、オリジナルグッズも豊富なショップ、キッズルーム、大浴場、カラオケと充実の船内施設にまったく飽きることがありません。

食事もホテル顔負けのレベルで、海を眺めるラウンジではモーニングセットから、軽食まで用意。
太平洋フェリーは、名鉄系なので、ブッフェスタイルのディナーは、名鉄系のホテル顔負けのレベル(和洋中の料理を取り揃えたブッフェで、ソフトドリンクのドリンクバー、サラダバー、デザート付き)になっています。
モーニングもやはりブッフェで、シティホテル風の和食と洋食のメニューを用意。
ランチブッフェは、カレー、ハンバーグに麺類などがあり、サラダバー・ドリンクバー付。
ゴージャスな雰囲気で船旅が楽しめるのです。

取材班も、名古屋から乗船したことがありますが、カーフェリーというより、奮発して上級船室をリザーブすれば、まさに「日本沿岸・太平洋クルーズ旅行」の雰囲気も味わえます。

1等以上の上級船室なら、リッチな気分の船旅に

フェリー「きたかみ」の場合、もっとも豪華なロイヤルスイートルーム(3名定員、1室)は、リビングとベッドルームに分かれた52平方メートル(国内フェリー最大級のルーム面積)という、ホテルのスイートルーム並みの広さで、乗船中のレストラン食事券が乗船料にセットになっています(苫小牧~仙台:夕・朝食2食分、苫小牧~名古屋:夕・朝・昼・夕・朝食5食分、仙台~名古屋:昼・夕・朝食3食分)。

スイートルーム(3名定員、1室)、セミスイートルーム(3名定員、2室)は、やはり食事券が乗船料にセットになっています。

このほか、洋室ツイン(3名定員)が53室、特等客室(和室)の2~3名定員・6室、3~4名定員・4室、4名定員の1等客室(和洋室)が24室、4名定員の1等客室(和室)が6室、2名定員の1等客室(バリアフリー対応洋室)が2室、海の見えないインサイドの2名定員の1等客室(洋室)が48室と上級客室が多いのが特徴。

フェリー「きたかみ」には、4名定員の1等客室を改造した、1等ウィズペットルームも用意。
2段ベッドのうち、片側の下段にケージを設置したもので、客室の定員は3名になりますが、ペット同伴の旅が可能です(1等フォース運賃に加え、ウィズペット利用料が必要、早割は対象外の客室)。

早割を利用すれば、特等でも格安に!

太平洋フェリー
特等の洋室ツイン

お得に乗船するには、まずはインターネット予約限定の早割の利用がおすすめ。
ロイヤルスイート、スイート、セミスイート、1等バリアフリー、1等ウィズペットには設定がありませんが、特等(洋室ツイン、または和室)、1等などの上級船室にも設定があるので、狙い目です。
乗船日の28日前までの予約・購入で、最大50%OFFというお得な料金設定です(GW、夏休み等には設定されません)。

乗船日28日前まででも、設定した客室数が満室になった時点で予約ができなくなるので、旅行の日程が決まったら、まずは早割の確認を。
太平洋フェリーに乗船するのが目的のひとつなら、早割で空いている日を狙うのがおすすめです。
洋室ツインの特等を利用しても、1万円近い割引になるので、ホテルの宿泊費と考えれば、移動費はないくらいのお得さです。

このほか、全食事(苫小牧~仙台間2食分・苫小牧~名古屋間5食分・仙台~名古屋間3食分)がセットになった「片道フルパック」、仙台〜名古屋限定のマイカープラン、往復割引、インターネット割引、学生割引などが用意されています。

取材協力/太平洋フェリー

太平洋フェリー
名称 太平洋フェリー/たいへいようふぇりー
関連HP 太平洋フェリー公式ホームページ
問い合わせ 太平洋フェリー予約センター(名古屋)TEL:052-582-8611
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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