日光杉並木街道は、徳川家康が東照大権現(神仏習合の神)として眠る日光東照宮の参道(栃木県日光市)。徳川家康の家臣、松平正綱が寛永2年(1625年)頃から20年の歳月をかけて寄進した杉並木。植栽された杉は約20万本と推定され、現在も上今市駅近くの杉並木公園を中心に、日光街道、例幣使街道、会津西街道の3つの街道に現存しています。
ギネス登録の「世界一長い並木道」
日光街道(大沢〜日光/16.52km)、例幣使街道(小倉〜 今市/13.17km)、会津西街道(大桑〜今市/5.72km)の合計、総延長35.41kmの間に1万2500本もの杉並木が現存。
杉並木の起点となる神橋畔、各街道の途切れる山口(日光街道)、小倉(例幣使街道)、大桑(会津四街道)の4ヶ所に杉並木寄進碑(杉並木完成時に設置)が建立されていますが、その寄進碑間の合計距離37kmの間は、「日光杉並木街道 附 並木寄進碑」として日本で唯一の特別史跡、特別天然記念物の二重指定を受けています。
植栽された当時は2万4000本ほどあったとされ、残念ながら年間100本ほどが寿命で失われています(役目を終えた杉は、「斎藤木材 日光杉の店」が引き取り、工芸品に)。
栃木県では、「日光杉並木オーナー制度」を設けて、維持管理、再生に務めています。
日光杉並木街道は、「世界一長い並木道」(Longest avenue of trees)として1992年にギネスブック(Guinness World Records)にも登録。
幹回りが7m以上高さ30~40mもの巨大な杉が続く様は圧巻で、延々続く並木道に、街道時代を偲ぶ風景を見ることができます。
その一部、上今市駅近くには杉並木公園も整備。
朝鮮通信使今市客館のあった場所です。
杉並木観賞広場や並木下には植物園も整備されています。
松でなく、杉を植えた理由は!?
なぜ松並木でなく杉並木なのかは、比較的温暖な東海道と異なり、冷涼で杉の生育が適していることと東照宮の参道としての機能を考えて。
東海道でも、山越えの箱根・芦ノ湖湖畔部分は杉並木となっているのと同じ理由です。
江戸時代、並木は日光奉行が厳しく管理し、枯れた際には速やかに補植されていました。
明治政府は財政再建のために杉並木の全伐を計画しましたたが、日光を愛したイギリス公使バークスの進言で断念。
第2次世界大戦の戦艦建造に伴う供出という難もなんとか逃れ、今も手厚く保護されています。
名称 | 日光杉並木街道/にっこうすぎなみきかいどう |
所在地 | 栃木県日光市瀬川 |
関連HP | 日光観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | 東武日光線上今市駅から徒歩5分 |
ドライブで | 日光宇都宮道路今市ICから約2.4km |
駐車場 | 杉並木公園駐車場を利用 |
問い合わせ | 日光市観光協会今市支部 TEL:0288-21-5611 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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