福島県と栃木県をまたいで南北に連なる那須岳の主峰が茶臼岳(ちゃうすだけ/1915m)。那須岳は茶臼岳と、その北にそびえる三本槍岳(1916.9m)、朝日岳(1896m)の三峰の総称ですが、那須岳という言葉を単に茶臼岳だけを指して使う人もいます。那須岳の山群の中では一番新しい火山で、中央火口丘では白い噴煙が上がっています。
山頂の火山荒原には溶岩ドームがそびえる
山麓の峠の茶屋近く(那須ロープウェイ山麓駅)までかつては有料道路のだった栃木県道17号(那須高原線)が通じているので、手軽にアプローチができます。
那須ロープウェイを利用すれば9合目まで到達でき、そこから50分ほどの登山で山頂まで行けるというアクセスの良さでも人気があります。
茶臼岳山頂は火山礫(かざんれき)におおわれ樹木がないので素晴らしい眺めですが、風雨をまともに浴び、ガスに包まれると方向を失うので登山にあたっては注意が必要です。
9合目からでも火山荒原の登りとなるので足回りはしっかりと。
荒天時の登山は厳禁。
那須火山は関東平野北端の関谷断層に沿って南北に連なる成層火山群。
那須火山群では、甲子旭岳火山(かっしあさひだけかざん)が50万年前、三本槍火山が30万年前、朝日岳火山と南月山火山(みなみがっさんかざん)が10~20万年前と、南下して火山活動を続け、那須岳は1.6万年前から活動を開始したもっとも新しい火山です。
2600年前の火山活動で茶臼岳山頂の火砕丘が形成され、さらに室町時代の応永15年(1408年)〜応永17年(1410年)に茶臼岳溶岩ドームが形成されています。
江戸時代には白湯山(はくゆさん)、高湯山(たかゆさん)と呼ばれ、多くの行者を集める山岳信仰の地にもなっていました。
茶臼岳西肩、8合目付近にある温泉の湧出地「御宝前」(ごほうぜん)を御神体とし、28ヶ所の拝所を有した霊場で、三斗小屋宿(現在は廃村)や、那須湯本温泉から登山で遥拝していました(三斗小屋口では白湯山、那須湯本口では高湯山と称していました)。
御宝前、茶臼岳、朝日岳を遥拝する三山掛けが盛んに行なわれていたのです。
明治維新の廃仏毀釈で、湯元温泉の月山寺、観音寺が廃寺となり、信仰も昭和20年代に途絶えています。
茶臼岳は、日光国立公園に指定され、深田久弥の「日本百名山」にも選定されています。
活火山のため、登山にあたっては最新の火山情報をチェックしてから入山を。
茶臼岳(那須岳) | |
名称 | 茶臼岳(那須岳)/ちゃうすだけ(なすだけ) |
所在地 | 栃木県那須郡那須町湯本 |
関連HP | 那須町観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | JR那須塩原駅西口から東野交通バス那須岳山麓行きで1時間15分、終点下車で那須ロープウェイ山麓駅 |
ドライブで | 東北自動車道那須ICからから約19km |
駐車場 | 那須ロープウェイ山麓駅駐車場(200台/無料) |
問い合わせ | 那須町観光協会 TEL:0287-76-2619 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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