足利駅

足利駅

栃木県足利市伊勢町1丁目にあるJR両毛線の駅が、足利駅(あしかがえき)。織物の町・足利の繁栄を背景に、明治21年5月22日、両毛鉄道の駅として開業した歴史ある駅で、現存する駅舎も昭和8年築の木造駅舎で、土木学会選奨土木遺産、さらに関東の駅百選に選定されています。

足利銘仙全盛の昭和初期築のレトロな駅舎が現存

足利駅
足利駅北口広場に静態保存されるEF60-123電気機関車

足利の織物の歴史は奈良時代に遡りますが、産業としての織物は江戸時代後期以降(江戸時代は木綿縮、足利小倉、足利結城など)。
織都・足利のピークは、両毛鉄道(現・両毛線)の敷設を背景にした明治時代の輸出織物(絹織物)、昭和初期の足利銘仙(絹を素材とした先染めの平織物)、昭和40年代のトリコット(足利の戦後の繊維産業を支えた二重デンビ編)で、現在の駅舎が完成した昭和8年は、まさに足利銘仙のピークにあたります。

土木学会選奨土木遺産の選定理由が、「現今の足利の礎を築いた交通・物流基盤施設、昭和モダンの風情と煌めきを留める歴史的建造物」というのも、そうした織物産業全盛の歴史を背景にしているからです。
関東の駅百選の選定理由は、「歴史のある土地にありながらステンドグラスを使い開設当時の外国文化を表す洋風な建築模様が目をひく駅」だから。

発車メロディには、森高千里の『渡良瀬橋』が使われています。
足利駅北口広場にはEF60-123電気機関車(国鉄が昭和35年に開発した、平坦路線向けの直流用電気機関車で、保存車両は昭和39年製造)が静態保存されています。
EF60の1両まるごとの保存車両は、足利駅北口広場のほか、碓氷峠鉄道文化むら(安中市/EF60-501)の2ヶ所だけです。
EF60-123は、晩年、高崎第二機関区に配属され、両毛線などで活躍していました。

ちなみに両毛線で関東の駅百選に選定されるのは、足利駅と佐野駅の2駅ですが、佐野駅は平成15年に橋上化され、昭和レトロな旧駅舎(関東の駅百選選定)が現存していません。

足利駅
名称 足利駅/あしかがえき
所在地 栃木県足利市伊勢町
関連HP JR東日本公式ホームページ
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
渡良瀬橋

渡良瀬橋

栃木県足利市(あしかがし)を流れる渡良瀬川(わたらせがわ)に架かる昭和9年完成の6連ワーレントラス橋が、渡良瀬橋。栃木県道5号(足利太田線)の橋で、歩行者および自転車の通行は禁止。渡良瀬橋に並行して上流側に人道橋(渡良瀬橋側道橋)が架かって

 

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