東京都葛飾区にある区立公園が堀切菖蒲園(ほりきりしょうぶえん)。江戸時代の浮世絵師・歌川広重の『名所江戸百景』にも「堀切の花菖蒲」(ほりきりのはなしょうぶ)として描かれた、花菖蒲の名所のひとつで、昭和34年に都立公園として開園。例年5月末〜6月中旬に花菖蒲の見頃を迎えます。
江戸時代から花菖蒲で有名だった堀切村
花菖蒲(はなしょうぶ)の起源は室町時代とも、江戸時代の文化年間(1804年~1817年)とも伝わる、歴史ある花の名所。
江戸時代後期、尾張藩主・徳川斉荘(とくがわなりたか)から「日本一菖蒲」という直筆の書が贈られるなど江戸では有名な花菖蒲の地となり、12代将軍・徳川家慶も鷹狩の際に立ち寄っています。
堀切村は、隅田川の分流が何条も流れるほどの湿地帯で、花卉の栽培を生業とする農家も多く、大正時代頃までは、花の栽培が盛んでした(昭和になって都市化され廃絶)。
有名な、日比谷花壇も明治5年に堀切村で創業しています(昭和25年頃、東京都の要請を受けて日比谷公園が拠点に)。
戦前まで堀切には江戸時代からの歴史を有した小高園、武蔵園、明治以降に開園した堀切園、吉野園、観花園などの菖蒲園がありましたが、戦後は廃絶。
戦後唯一復興を果たした堀切園の一部を東京都が購入し、昭和34年に都立公園として開園、昭和50年に葛飾区に移管したもの。
花菖蒲開花期には『葛飾菖蒲まつり』開催
堀切菖蒲園の園内には江戸菖蒲(ハナショウブ、アヤメ、カキツバタ)など200種6000株が植栽され、希少品種を見ることもできます。
園内ではほかに、梅、藤、アジサイ、ハギ、冬桜、牡丹なども植栽され、ボランティアによる解説も実施。
庭園を眺めながら喫茶や会食が可能な「静観亭」では予約で、月替り料理「十二季膳」などの会席料理、幕の内弁当などが味わえるほか、1階のロビー喫茶コーナーは、予約なしで立ち寄ることができます。
堀切菖蒲園には駐車場はありませんが、土・日曜、祝日は、近くの荒川河川敷にある堀切橋駐車広場が利用できます。
花菖蒲は都立水元公園にも100種1万400株の花菖蒲が植栽され、例年6月の開花期には堀切菖蒲園とともに『葛飾菖蒲まつり』が開かれています。
堀切菖蒲園 | |
名称 | 堀切菖蒲園/ほりきりしょうぶえん |
所在地 | 東京都葛飾区堀切2-19-1 |
関連HP | 葛飾区公式ホームページ |
電車・バスで | 京成電鉄堀切菖蒲園駅から徒歩10分 |
ドライブで | 首都高速四つ木ランプから約1.6km |
駐車場 | なし/菖蒲まつり期間のみ堀切橋駐車広場(無料・荒川河川敷)を開設 |
問い合わせ | 葛飾区公園管理所 TEL:03-3694-2474 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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