東京都世田谷区にある浄土宗の寺、九品仏浄真寺(くほんぶつじょうしんじ)。正式名は九品山唯在念佛院浄真寺ですが、上品堂、中品堂、下品堂の3堂が並び、それぞれに3体ずつ阿弥陀如来像が納められているので、九品仏と呼ばれ、それが寺の通称名、東急電鉄大井町線の駅名になっています。
9体の阿弥陀如来像が安置される浄土宗の寺
延宝6年(1678年)、珂碩上人(かせきしょうにん)が、九品浄土(くほんじょうど=阿弥陀如来の極楽浄土)を表す大寺院建立を目指し、元禄11年(1698年)に完成した浄土宗の巨刹で、芝・増上寺の別院。
九品仏は、浄土教における極楽往生の9つの階層(九品浄土)を表し、浄土三部経のうちの『観無量寿経』に説かれたもの。
中国伝来の人物などの鑑定法の上品(じょうぼん)・中品(ちゅうぼん)・下品(げぼん)の3つに大きく分け、これら一品ずつにまたそれぞれ上中下の三品があるという考えがルーツで、上品上生 (じょうぼんじょうしょう)、上品中生、上品下生、中品上生、中品中生、中品下生、下品上生、下品中生、下品下生の九品に分けられ、下品下生の人は、五逆罪・十悪を所作し、不善を行って地獄に堕すべき者とされたのです。
俗にいわれる上品・下品(じょうひん・げひん)の語源となった言葉。
もともと九品仏浄真寺の建つ地は中世の奥沢城(世田谷城の出城)の城跡で、敷地内には方形の土塁跡も残されています。
九品仏浄真寺の伽藍配置は、創建当時から現在までほとんど変化がない貴重な存在。
境内には樹齢700年ともいわれる大イチョウや大カヤ、ケヤキなどの巨木が茂り、敷地南の道沿いに続くクロマツの並木が続いています。
参道入口の桜、春の新緑、秋の紅葉など、豊かな自然も魅力のひとつ。
3年に一度、菩薩のお面をかぶり、阿弥陀の来迎を目に見える形であらわす華やかな仏教行事『二十五菩薩来迎会』(別名「お面かぶり」)も執り行なわれています。
阿弥陀様のブルーの頭髪が話題に
九品仏浄真寺の阿弥陀如来の頭髪が青く、近年、ブルーヘッドとSNSなどで話題になっています。
しかし、これは阿弥陀如来本来の姿。
阿弥陀如来像の螺髪(らはつ)が青瑠璃色に塗られているのは、 仏(如来)の身体的特徴をまとめた「三十二相八十種好」(さんじゅうにそうはちじゅうしゅごう)は経典により多少の違いはありますが、螺髪は右巻きで青瑠璃色と記されているからです。
ちなみに、目の色は真青眼相(しんしょうがんそう)と青く、眉間には白毛相(びゃくもうそう)という1本の白い毛が右旋回しています。
九品仏浄真寺 | |
名称 | 九品仏浄真寺/くほんぶつじょうしんじ |
所在地 | 東京都世田谷区奥沢7-41-3 |
関連HP | 九品仏浄真寺公式ホームページ |
電車・バスで | 東急大井町線九品仏駅から徒歩7分 |
ドライブで | 第3京浜道路玉川ICから約2.4km |
駐車場 | 10台/無料 |
問い合わせ | 九品仏浄真寺 TEL:03-3701-2029 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
最新情報をお届けします
Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!
Follow @tabi_mag