東京都台東区入谷にある江戸時代の藩屋敷に鎮座した社がルーツの神社が太郎稲荷神社。人形町の水天宮は久留米藩というように、江戸には諸大名の藩邸ゆかりの神社も数多く、柳川藩(柳河藩)立花家中屋敷にあったのが、西町太郎稲荷神社(台東区東上野1-23-2)、下屋敷にあったのが太郎稲荷神社です。
柳川藩(柳河藩)立花家ゆかりの稲荷明神
明治11年の『実測東京全図』を見ると正覚寺の東南の光月丁に「太郎イナリ」と記され、北には正燈寺、大音寺、西徳寺と現存する寺も描かれています。
『東京名所図会・浅草区之部』には「門前より本社まで凡そ十町余の右左奉納幟にて垣をなし」と記されているので、その賑わいぶりがよくわかります。
吉原遊郭の裏という立地だから、遊郭遊びの人や遊女の参拝もあったのだと推測できます。
庶民の信仰を集めた流行神(はやりがみ)でもあったらしく、「上野大師の縁日よりも太郎稲荷の午ノ日毎の参詣夥(おびただ)し」「太郎稲荷ばかりは言語にも筆紙にも尽くしがたき様子」(『享和雑記』)とあるから、疱瘡を治す神としても信仰され、上野界隈では人気ナンバーワンのパワースポットだったのです。
その太郎稲荷、柳河藩の藩祖である立花宗茂(たちばな むねしげ)の守護神。
九州・柳川の日吉神社の境内に鎮座する太郎稲荷大明神は、護軍の神として稲荷明神を信仰した戦国時代の武将・立花道雪(たちばなどうせつ)が京・伏見稲荷大社から分霊を勧請したもの。
つまり、江戸の太郎稲荷も神様のルーツは伏見稲荷です。
太郎稲荷神社 | |
名称 | 太郎稲荷神社/たろういなりじんじゃ |
所在地 | 東京都台東区入谷2-19 |
関連HP | 台東区公式ホームページ |
電車・バスで | 東京メトロ日比谷線入谷駅から徒歩7分。または、JR鶯谷駅から徒歩8分 |
ドライブで | 首都高速入谷ランプから約800m |
駐車場 | なし/周辺の有料駐車場を利用 |
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