『あゝ上野駅』歌碑

『あゝ上野駅』歌碑

東京にはご当地ソングが数多いですが、高度成長時代という世相を反映したヒット曲の歌碑が、上野駅(東京都台東区)にある『あゝ上野駅』歌碑。昭和39年5月発売の『あゝ上野駅』は、累計売上100万枚を記録する大ヒット。歌手を志して青森県から単身上京した井沢八郎の代表曲になっています。

昭和39年の流行語は「金の卵」

作詞は、当時、埼玉県の地方銀行の銀行マンだったという関口義明。
上野駅で見かけた集団就職の少年たちをモチーフに、家庭雑誌『家の光』の懸賞に応募し、見事1位入選を果たした詞です。
『あゝ上野駅』リリースの昭和39年の流行語が「金の卵」。
日本の高度経済成長期を支えるために上京する「農村出身の若い労働者」のこと。
当時、桜が咲く季節になると、上野駅は中学・高校を卒業したばかりの少年少女たちであふれかえったのです。
昭和39年は、東京オリンピック開催の年で、東京は働き手不足に陥っていました。
これが解消するのが「集団就職」だったのです。
昭和29年4月5日に青森駅15:33発・上野行き臨時夜行列車(集団就職列車)が運行開始され、昭和50年に廃止されるまで上野駅着の夜行列車が「集団就職」のシンボル的な存在になっていました。

上野駅広小路口前に歌碑が立てられたのは、平成15年。
元プロボクサーのファイティング原田、集団就職で上京した中小企業経営者らによる有志団体の手で建立されたもので、レリーフにはC62形蒸気機関車、上野駅に降り立つ学生服姿の「金の卵」たちが描かれています。

現在、上野駅では、16・17番線(上野駅始発の常磐線特急ホーム)の発車メロディーに『あゝ上野駅』が使われています。

『あゝ上野駅』歌碑
名称 『あゝ上野駅』歌碑/『ああうえのえき』かひ
所在地 東京都台東区上野7丁目(JR上野駅広小路口前)
関連HP 台東区公式観光サイト
電車・バスで JR・京成・東京メトロ上野駅から徒歩1〜5分
問い合わせ 台東区観光課 TEL:03-5246-1151(8:30〜17:15、平日のみ)
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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