13東京都
プレスマンユニオン編集部
奥の細道・矢立初めの地碑
東京都足立区千住橋戸町、隅田川に架る千住大橋の北詰、千住大橋公園に立つのが、奥の細道・矢立初の碑(おくのほそみちやたてはじめのひ)。矢立初とは旅行記などの書き初めの意。元禄2年「弥生も末の7日」松尾芭蕉は『奥の細道』に、千住から旅立っているのです。
『奥の細道』は千住からスタート
元禄2年3月27日(1689年5月16日)、46歳になった松尾芭蕉は、曾良を伴って江戸・深川(現・江東区)から船で大川(隅田川)を遡上して『奥の細道』への旅へと出立。
『奥の細道』の冒頭に、「月日は百代の過客(ひゃくだいのかかく)にして、行かふ年も又旅人也。・・・(中略)・・・ 彌生も末の七日、明ぼのゝ空朧々(ろうろう)として、月は在明にて光おさまれる物から、不二の峰幽かにみえて、上野・谷中の花の梢、又いつかはと心ぼそし。むつましきかぎりは宵よりつどひて、舟に乗て送る。千じゆと云所にて船をあがれば、前途三千里のおもひ胸にふさがりて、幻のちまたに離別の泪をそゝぐ。『行く春や鳥啼魚の目は泪』是を矢立の初めとして、行く道なおすすまず。人々は途中に立ならびて、後かげみゆるまではと、見送なるべし」と記されています。
『行く春や鳥啼魚の目は泪』が矢立初めの句ということで、の千住大橋の北詰にある千住大橋公園に、奥の細道矢立初めの地碑、奥の細道矢立初めの碑(『奥の細道』の冒頭を刻んだ石碑)、奥の細道の路程図が設けられ、芭蕉の足取りが説明されています。
矢立とは、筆と墨壺を組み合わせた携帯用筆記用具で、旅行記を書き始めることが矢立初めです。
この千住宿を起点に、芭蕉は、奥羽、北陸、岐阜の大垣へと600里(2400km)、およそ半年の旅に旅立ったのです。
さらに芭蕉は最終地の大垣に到着した後、伊勢の桑名へと川で下り、津、伊勢を訪れ、そして、故郷の伊賀上野へに帰郷しています。
なお、隅田川南岸の荒川区も「矢立初めの地」を主張し、南千住の素盞雄神社(すさのおじんじゃ)境内には、「行く春や鳥啼魚の目は泪」が刻まれた句碑が建立されており、南千住駅前には、句を詠む松尾芭蕉の銅像が建てられています。
奥の細道・矢立初めの地碑 |
名称 |
奥の細道・矢立初めの地碑/おくのほそみち・やたてはじめのひ |
所在地 |
東京都足立区千住橋戸町31 |
関連HP |
足立区観光交流協会公式ホームページ |
|
電車・バスで |
京成千住大橋駅から徒歩5分 |
駐車場 |
周辺の有料駐車場を利用 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
最新情報をお届けします
Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!
ABOUTこの記事をかいた人。

プレスマンユニオン編集部
日本全国を駆け巡るプレスマンユニオン編集部。I did it,and you can tooを合い言葉に、皆さんの代表として取材。ユーザー代表の気持ちと、記者目線での取材成果を、記事中にたっぷりと活かしています。取材先でプレスマンユニオン取材班を見かけたら、ぜひ声をかけてください!
-
日光東照宮・三猿
日光東照宮の神馬(しんめ)の厩舎(きゅうしゃ)である神厩舎の長押には、人間の人生を表す合計で16匹の猿が彫られています。そのうち、もっとも有名な猿が「見ざる、言わざる、聞かざる」の三猿(さんえん・さんざる)です。厩舎に猿...
-
日本の巨大ダム(堤高) ベスト10
ダムの大きさを測る物差しとしてもっともシンプルなのが堤高(ていこう)。つまりはダムの堰堤の高さです。基礎地盤からダムの一番上までの高さなので、下から見上げたときの迫力などに反映されるのもこの堤高。アーチダム、ロックフィル...
-
7月4日【今日は何の日?】
7月4日は、アメリカ合衆国の独立記念日(大陸会議で独立宣言採択)、『不思議の国のアリス』誕生のピクニックが行なわれた日、鳥取県東郷町の「東郷町二十世紀梨を大切にする町づくり委員会」が制定した梨の日、第1回プロ野球オールス...
-
日本の山 標高ベスト10
日本の山標高ベスト10は、独立峰の富士山を1位に、2位〜10位には南アルプスが、日本第二の高峰・北岳など4座、北アルプスが3位の奥穂高岳など5座がランクイン。白峰三山、悪沢岳(荒川東岳)・赤石岳、槍穂高連峰と、いずれも日...
-
7月5日【今日は何の日?】
7月5日は、江戸切子の日(日本人の手によって初めてカットグラス)、銚子電鉄開業の日(開業当時は銚子鉄道)、金沢シーサイドライン開業、黄檗宗の名僧・隠元隆琦が来日した日、語呂合わせで穴子の日、名護の日、そして世界で最も小さ...
-
華厳の滝
那智の滝(那智大滝)、袋田の滝と並ぶ日本三名瀑のひとつに数えられる有名な滝で日光二社一寺の神域に位置しています。中禅寺湖から97mの高低差を一直線に水が流れ落ちる様は荘厳かつ豪快。昭和5年に営業開始という歴史ある専用エレ...
-
日本三大砂丘とは!?
日本三大砂丘は、静岡県の御前崎から浜松まで続く南遠大砂丘、有名な鳥取砂丘、そして鹿児島県の吹上浜の3ヶ所を数えるのが一般的。ただし、この日本三大砂丘は、誰が決めたのか定かでない「詠み人知らず」のため、九十九里浜を入れたり...
-
絶景! 夏休みは涼しい湖畔の宿へ!(2) 中禅寺金谷ホテル
うだるような暑さを逃れて、夏は涼しい湖畔の宿へ! その2は、奥日光・中禅寺湖の湖畔(栃木県日光市)の森のなかに建つ、中禅寺金谷ホテル。昭和15年7月16日に外国人受け入れの国策ホテルとして避暑地・中禅寺湖に誕生した日光観...
-
7月6日【今日は何の日?】
7月6日は、ゼロ戦の日、シーボルトが長崎に来日した日、俵万智の歌集『サラダ記念日』からサラダ記念日、シーボルトが初めて日本にピアノを持ち込んだピアノの日、東京・谷中の天王寺五重塔焼失の日、そして『入谷朝顔まつり』(7月8...
-
日光東照宮・石鳥居(一の鳥居)
日光東照宮参道途中、五重塔近くにあるのが石鳥居(一の鳥居)。日光東照宮創建(徳川家康日光改葬)の翌年、元和4年4月17日(1618年6月9日)の造営の明神鳥居。高さ9.2m、柱間6.7m、柱の直径(太さ)3.6mの石鳥居...