東京都豊島区西池袋2丁目にあるフランク・ロイド・ライトの設計により建設された建物で、国の重要文化財に指定されるのが、自由学園明日館(じゆうがくえんみょうにちかん)。大正10年、羽仁もと子、羽仁吉一(はによしかず=婦人之友を創刊)夫妻が創立した自由学園の校舎として建設されたものです。
ライト設計の自由学園の校舎は、国の重要文化財に!
大正10年、東京府北豊島郡高田町雑司が谷(現・東京都豊島区西池袋2丁目)に自由学園を設立。
初代の学園長が、日本で初めての女性ジャーナリストで、家計簿の考案者でもある羽仁もと子、学園主(理事長)が夫の羽仁吉一で、明治41年、夫婦で婦人之友社を設立の後、読者の子供への家庭的な教育を目指し、自由学園を創立したのです(当初は女学園)。
自由学園の名は、『新約聖書』の「真理はあなたたちを自由にする」(ヨハネによる福音書8章32節)に由来。
建築家・遠藤新(えんどうあらた)の紹介でフランク・ロイド・ライト(Frank Lloyd Wright)は、夫婦の姿勢に共感し、校舎の設計を引き受けています。
ちょうど、帝国ホテルの建設のために来日中で、ライトの助手を務めていた遠藤新が引き合わせたのです。
設計の基調には「簡素な外形のなかにすぐれた思いを充たしめたい」という羽仁夫妻の考えが詰まっているのです。
前庭に臨むホールの大きな窓は、明日館の顔。
ステンドグラスを配した美しい窓は、限られた工費のなかでいかに空間を充実させるかという難題を見事に解決しているのです(高価なステンドグラスを使いながら、木製の窓枠や桟を幾何学的に配して工費を低減)。
ホールに置かれた背が六角形の椅子もライト、あるいは遠藤新のデザイン。
建物と家具との調和を考えて設えたものなので、お見逃しなく。
ホールの壁画は、平成9年から行なわれた修復工事の最中に、厚く塗られた壁の下から発見されたもので、創立10周年を記念し、美術家・石井鶴三の指導で生徒たちが制作したものです。
校舎の中心に食堂があるのは、手作りのあたたかい昼食を生徒全員が集まっていただくという教育姿勢から。
見学は、見学のみ、喫茶付見学、夜間見学・お酒付(第3金曜夜、ガイド付き)の3タイプ。
結婚式などで利用され、見学が不可の日や時間帯があるので、公式ホームページで確認が必要。
喫茶付見学を選べば、食堂またはホールでの喫茶(コーヒー、紅茶に焼き菓子)も可能です。
羽仁もと子・吉一夫妻は、20分ほど歩いた雑司ヶ谷霊園(豊島区南池袋4丁目)にあります。
自由学園明日館 | |
名称 | 自由学園明日館/じゆうがくえんみょうにちかん |
所在地 | 東京都豊島区西池袋2-31-3 |
関連HP | 自由学園明日館公式ホームページ |
電車・バスで | JR・東京メトロ・東武鉄道・西武鉄道池袋駅から徒歩5分 |
駐車場 | 周辺の有料駐車場を利用 |
問い合わせ | 自由学園明日館 TEL:03-3971-7535 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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