南硫黄島

東京都小笠原村、東京都心から南へ1300km、硫黄島のさらに南60kmにある無人島が、南硫黄島。（みなみいおうとう）。北から西之島、北硫黄島、硫黄島、南硫黄島と続く火山列島（硫黄列島）の南端に位置し、東京都心とグアム島のちょうど中間。世界自然遺産「小笠原諸島」の構成資産にもなっています。

硫黄島のさらに南に浮かぶオニギリ島

伊豆七島の利島（としま）にも似た円錐形の島で、最高点の標高は916mで伊豆諸島・小笠原諸島の中では最高峰、東京都下でも第6位となる高峰です。

南硫黄島原生自然環境保全地域に指定され、立入りは厳しく制限されています。
また、島の周囲は断崖絶壁で、とても上陸できるような雰囲気ではありません。

南硫黄島による日本の排他的経済水域（EEZ）は、南東540kmにある北マリアナ諸島のパハロス島のもたらすアメリカ合衆国の排他的経済水域（EEZ）と接するため、国境の島にもなっています。

1543年、スペイン船「サン・フアン号」が発見し、サン・アグスティン火山（Volcan de San Agustin）」と命名、さらに1779年にイギリス船「ディスカバリー」、「レゾリューション」が視認し、サウス・アイランド（South Island）と命名するなど、古くから知られてはいました。

明治18年には函館を出航し、下北（青森県）に向かう帆船「松尾丸」が時化で遭難し、83日の漂流後、南硫黄島に漂着しています（3年半後に3人が小笠原・母島の漁船が救出）。
こうした遭難事故を受け、、小笠原・硫黄島航路の定期船が、年に1回、硫黄島からさらに南の南硫黄島まで来訪し、汽笛を鳴らしながら島を周回して漂着者の有無を確認することが慣例となっていました。

南硫黄島は、北福徳カルデラ（南硫黄島の北の海域にある16km×10kmの海底カルデラ、中央火口丘が福徳岡ノ場）のカルデラ壁の一部で、令和3年には島の近くで新島の誕生が確認される（新島は波で削られ2ヶ月で海没）、変色水域が日常的に見られるなど、福徳岡ノ場を中心に活発な火山活動が展開しています。

小笠原海運の「おがさわら丸」を使い、北硫黄島･硫黄島･南硫黄島を巡る「硫黄三島クルーズ」（竹芝桟橋発着6日間）が行なわれているので（島への上陸はできません）、そうした特別なツアーでのみ島を眺めることが可能。

画像協力／海上保安庁

南硫黄島
名称	南硫黄島／みなみいおうとう
所在地	東京都小笠原村硫黄島南硫黄島
関連HP	小笠原村公式ホームページ

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