「東武博物館が所有する保存車両」が野田線で活躍!

大宮駅(埼玉県さいたま市大宮区)と船橋駅(千葉県船橋市)を結ぶ東武野田線(62.7km、35駅)で活躍するのが8000系の8111F。実はこの車両、保有するのは東武博物館(東京都墨田区東向島)で、東武野田線で走らせながらの動態保存という珍しい状況になっています。

東武博物館が所有する動態保存編成が8111F

東武8000系電車は、高度成長期の沿線人口急増による乗客増への対応のため、1963年〜1983年に712両が製造された東武を代表する通勤形電車。
私鉄では最多両数の生産数を誇る電車で、山手線などで活躍した国鉄103系(JR東日本では2009年に引退)との類似点も多いため「私鉄の103系」とも称されています。

野田線で「動態保存」される8111Fは、1963年に日本車輌で製造。
1963年11月30日、川越電車区に配属され営業運転を開始した車輌です。
1977年に冷房化、1986年には修繕工事が行なわれましたが、2011年6月30日に運用を離脱。
2020年11月からは南栗橋本区にて休車(東武博物館が所有する動態保存編成)となっていました。

2023年9月に南栗橋工場で、全般検査・塗装変更し、10月28日南栗橋車両管区七光台支所へ転属、2023年11月1日に東武野田線で再デビューを果たしています。

博物館所有の電車が、現役の定期列車として再デビューという異色の経歴ですが、塗装を8000系登場当初のロイヤルベージュとインターナショナルオレンジのツートンカラーに復元、さらに先頭車のマーカーランプも復元というのは、博物館レベルの「動態保存」としてのこだわりからでしょうか。

なぜ、東武博物館が所有する動態保存8111編成が、東武野田線(東武アーバンパークライン)で使用されるようになったのかといえば、東武鉄道は、6両編成のままで有効活用できる場所を検討した結果、6両編成で運転している東武野田線で活用することとなったと説明しています。
その結果、東武野田線では新型80000系と8000系8111編成、年齢差61歳の乗り比べが実現しています。

「東武博物館が所有する保存車両」が野田線で活躍!
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
東武博物館

東武博物館

東京都墨田区、東武伊勢崎線東向島駅の高架下を利用した東武鉄道の鉄道博物館が、東武博物館。明治30年に創立し、日光への特急 「けごん」、鬼怒川への特急 「きぬ」、伊勢崎への特急 「りょうもう」でも知られる東武鉄道の資料や車両を展示する鉄道保存

 

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