令和6年3月16日、北陸新幹線の金沢駅〜福井駅〜敦賀駅が開業、話題は敦賀駅〜京都駅へのルート問題(米原ルート、小浜・京都ルート)に変わっています。では、飛行機を利用して福井県へと旅する際の飛行場は!?といわれると、すぐにはピンとこないはず。実は福井空港があるにはあるのですが・・・・。
小型のプロペラ機、グライダーしか姿を見ない空港
福井県観光連盟によると、福井県への飛行機を使ってのアクセスは、小松空港(石川県小松市)の利用となっています。
小松空港からは空港連絡バスでJR・IRいしかわ鉄道小松駅へ、そこで北陸新幹線(もしくはIRいしかわ鉄道)に乗り換えて福井県内へという移動手段となります(京福バス高速バス小松空港線も運行、1時間ほどで福井駅とを結んでいます)。
ところが、地図を見てみると、福井県坂井市に福井空港があり、かつては羽田空港とも定期便が飛んでいた歴史があるのです。
福井空港は、昭和36年6月に策定された福井県総合計画により、昭和41年6月30日に開港した空港。
当初は羽田空港と全日空がフォッカー F27フレンドシップ(ターボプロップ双発旅客機)を1往復就航させていました。
昭和43年には2往復に増便、昭和47年4月1日にはYS11に機体が変更しましたが、昭和51年4月、定期便が廃止に。
実は福井空港の滑走路は全長1200mでジェット機の離発着ができません。
昭和48年11月1日に小松空港がジェット化、国内線だけでなく国際線にも対応の拠点飛行場となったことで、福井空港利用のメリットが減少、定期便がなくなったというわけです。
当然、福井県は2000mの滑走路を整備しようと計画しますが、公共事業の見直しで国の予算化も見送られ、空港を拡張する際の地権者との話し合いも決裂して、平成13年には福井県知事が福井空港拡張整備計画の凍結を発表しています。
平成15年には福井県知事が断念を発表し、「北陸新幹線・小松空港重視」に大きく転換したのです。
転換後は、福井空港の有効利用ということで、福井県警察航空隊、福井県防災航空隊の拠点、令和3年からは福井県ドクターヘリ(福井県立病院拠点)も飛び始めています。
国土交通省のデータでは、福井空港の乗降客数は、平成21年の26人が最後で、以降は0人。
つまりはチャーター便も飛んでいないことに。
飛行場としての利用は、普段は小型のプロペラ機、グライダーが主体というのが現状です。
2025年9月30日にはトキエアの46人乗りプロペラ旅客機ATR42-600が新潟空港から飛来。
トキエアによれば、福井空港の観光需要模索のために実施した試験飛行とのことで、福井空港での離着陸や、滑走路内でうまく旋回ができるかなどを確認。
福井県は、福井空港ビル再整備構想を策定、トキエアによる試験飛行で課題を検証し、今後、中型プロペラ機のチャーター運航の実現を目指す考えです。
【地図を旅する】vol.29 半世紀近く定期便が飛ばない! 福井空港 | |
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