【地図を旅する】vol.41 日本一長大な山陰本線に残る、知られざる支線

新幹線の延伸開業で、北陸本線、東北本線、信越本線などは分断化されるなか、日本一長大な路線となるのがJR西日本の山陰本線。京都駅(京都府)〜幡生駅(山口県)の673.8kmですが、地図を見てみると、山口県内で長門市駅から青海島方面に伸びる支線が。これが長門市駅〜 仙崎駅(2.2km)の仙崎支線です。

山陰本線に「盲腸線」の存在が!

昭和5年5月15日、鉄道省美弥線(みねせん)の貨物支線として開業した路線。
仙崎港で水揚げした魚介、物資を輸送するための支線として誕生したもの。
地図を見てもわかるように、仙崎港は対岸の青海島を防波堤に、海上交通の拠点でした。
江戸時代には瀬戸崎と呼ばれ、北前船の寄港地ともなって賑わいをみせました。
蒲鉾(かまぼこ)などの水産加工業も盛んで、山陰本線の最寄り駅までのアクセスは重要な課題となっていたのです。

仙崎が生んだ童謡詩人・金子みすゞは、昭和5年3月10日、26歳で没しているので、鉄道の開通工事だけを耳にしていたことになります。

山口県を南北に貫く美弥線は、石灰石などの貨物輸送の多い路線で、貨物路線として北の仙崎駅まで延伸。
昭和8年2月24日、山陰本線全通の際に、山陰本線に編入されたため、その支線となったものです。

昭和8年7月26日に旅客営業を開始したのも仙崎港繁栄の現れです(昭和38年6月1日には貨物営業を停止し、以降は旅客輸送のみとなっています)。

キハ120形気動車を使い、1日6往復が運転されていますが、長門市駅までの支線内運転は1往復で、残りの5往復は美弥線厚狭駅(あさえき)まで直通乗り入れしています。

かつては仙崎漁港で揚がる行商人を乗せるため早朝の運転もありましたが、現在は通学などが主体。
終電も仙崎駅発18時そこそこという早さなので、支線を踏破しようという人は注意が必要です。

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ラジオ・テレビレジャー記者会会員/旅ソムリエ。 旅の手帖編集部を経て、まっぷるマガジン地域版の立ち上げ、編集。昭文社ガイドブックのシリーズ企画立案、編集を行なう。その後、ソフトバンクでウエブと連動の旅行雑誌等を制作、出版。愛知万博公式ガイドブックを制作。以降、旅のウエブ、宿泊サイトにコンテンツ提供、カーナビ、ポータルサイトなどマルチメディアの編集に移行。

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