徳島中央公園内の徳島城博物館に隣接する藩政時代の大名庭園が、旧徳島城表御殿庭園。関ヶ原の合戦があった1600(慶長5)年頃に徳島城表御殿に面して造られた観賞式と池泉廻遊式を兼ね具えた名園で国の名勝。枯山水庭(書院の庭)と築山泉水庭(居間の庭)があり、東側の堀から海水を引き入れ、潮の干満がわかる「潮入り庭園」でした。
蜂須賀家政に請われて徳島に住んだ上田宗箇の作庭
作庭は茶人・武将で、上田宗箇(うえだそうこ=上田重安)と伝承されており、徳島ならではの青石がふんだんに使われています。
上田宗箇は、尾張国愛知郡星崎(愛知県名古屋市南区星崎)出身。
蜂須賀家政に強く請われ、その客将となり、阿波国徳島に移り住んだ際に作庭したと推測されています(この後、紀州藩主・浅野幸長に仕え、和歌山城西の丸庭園、粉河寺庭園を作庭しています)。
枯山水に架かる青石製の橋が折れてしまっているのは、初代徳島藩主・蜂須賀至鎮(はちすかよししげ)が妻(徳川家康の養女で小笠原秀政の娘・氏姫=このことから関ヶ原では東軍に)に毒を盛られ、苦しさと悔しさで踏み割ったものともいわれています。
「義伝公踏み割り石」と呼ばれ、吉川英治の『鳴門秘帖』にも、蜂須賀義伝(蜂須賀至鎮のこと)は、毒殺されたように描かれていますが、若くして病死したため、徳川家の陰謀で妻である氏姫が毒を持ったという伝承が生まれました。
旧徳島城表御殿庭園 | |
名称 | 旧徳島城表御殿庭園/きゅうとくしまじょうおもてごてんていえん Omotegoten Garden of Old Tokushima Castle |
所在地 | 徳島県徳島市徳島町城内1-8 |
関連HP | 徳島市公式ホームページ |
電車・バスで | JR徳島駅から徒歩10分 |
ドライブで | 徳島自動車道徳島ICから約4kmで徳島中央公園駐車場 |
駐車場 | 徳島中央公園駐車場(89台/無料) |
問い合わせ | 徳島市文化振興課 TEL:088-621-5178/FAX:088-624-1281 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
最新情報をお届けします
Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!
Follow @tabi_mag