青砂ヶ浦天主堂

青砂ヶ浦教会

長崎県新上五島町、五島列島・中通島の奈摩湾を見下ろす小高い丘に建つ天主堂が青砂ヶ浦天主堂。寛政9年(1797年)、大村藩(西彼杵半島外海地方)の農民が迫害を逃れて当地に移住、明治11年頃に集会所を造ったのがルーツ。現存する青砂ヶ浦天主堂は、明治43年の築造で3代目(国の重要文化財)。

信徒総出の労働奉仕で建築された天主堂

現存する青砂ヶ浦天主堂は、明治時代後期に信徒総出の労働奉仕を行なって築かれたもの。
当時の信徒数は50戸ほどで、1戸あたりの建設負担金は20円、その上、労働奉仕も行なったのです。
当時は100円で家が1軒建った時代なので、貧しかった信徒たちにとって20円はかなりの額だったと推測できます。

設計は、九州北部で教会建築を手がけた第一人者で、地元出身の大工棟梁・鉄川与助(中通島・青方村生まれ)によるもので、レンガ造り教会堂としては初期の作、レンガ造りの教会堂としては、旧野首教会に続く作品です。
石材は頭ヶ島、レンガは佐世保・早岐方面からの搬入で、海からの陸揚げも、当然、信徒総出で行なわれました。

三廊式のバジリカ、かまぼこ型の四分割リブ・ヴォールト天井(Rib vault)、内部壁面は漆喰塗り、側廊窓にはステンドグラスが配され、内部の装飾も実に見事です。
とくにステンドグラスの美しさは定評があり、午後からは、太陽の光が正面の丸窓を照らし、神々しさが際立ちます。

ミサは平日の6:00、土曜の18:00、日曜の9:00(5月~8月は8:00)に行なわれており、現役の教会なので、「教会見学時のマナー」を守り、十分な配慮を。

当初は、ユネスコの世界遺産(文化遺産)暫定リストへ掲載が決まった「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」を構成する教会のひとつでしたが、構成資産の見直しにより外され、「世界遺産の構成資産と一体的に保存・継承していく資産」とされています。

●写真掲載に関しては、長崎大司教区の許可をいただいています。
画像・取材協力/長崎県観光連盟

青砂ヶ浦天主堂
名称 青砂ヶ浦天主堂/あおさがうらてんしゅどう
所在地 長崎県南松浦郡新上五島町奈摩郷1241
電車・バスで 有川港からタクシーで20分。奈良尾港からタクシーで1時間。上五島空港からタクシーで40分
ドライブで 有川港から約8km
駐車場 5台/無料、ミサ、冠婚葬祭時には利用不可
問い合わせ 青砂ヶ浦天主堂 TEL:0959-52-8011
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
頭ヶ島天主堂

頭ヶ島天主堂

長崎県上五島町、幕末まで無人島だった五島列島・中通島の東に位置する頭ヶ島(かしらがしま)に建つ聖堂が頭ヶ島天主堂。現存する教会は、大正8年に竣工した長崎県内で唯一の、また全国的にも珍しい切石積みの教会堂(設計は鉄川与助)で、国の重要文化財に

 

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